シーズン1 1-2 as fast asに聞こえないのだが…
こんにちは。トムです。スーパーナチュラルを使って英語の勉強を続けましょう。ちなみにsupernaturalは「スーパー自然」とか「ちょーナチュラル」という意味ではなく、「自然(natural)を越えた(super)」なので「超常現象」のような意味です。よく考えてみればsupermanは「ひと(man)を超えた」で「超人」ですから。
[メアリーが寝ていると、サムの泣き声が聞こえる]
Mary: John. (ジョン。)[メアリーはサムの部屋に行く] John? Is he hungry? Okay. (ジョン?サムはおなかがすいているの?そう。)[メアリーが1階を見ると男がテレビの前に寝ている。急いでサムのところに戻る] Sammy. Sammy. No!(サミー。サミー。いやあ!)
[1階で寝ていたジョンは驚いて2階へ行く]
John: Mary? Mary! Mary. Mary.(メアリー?メアリー!メアリー。メアリー。)[サムの部屋に着く] Hey, Sammy. You okay?(やあ、サミー。大丈夫かい?)[天井のメアリーを見つける] No! Mary!(そんな!メアリー!)
Dean: Daddy!(父さん!)
John: Take your brother outside as fast as you can. Don’t look back. Now, Dean. Go! Mary! No!(できるだけ急いで弟を外に連れて行け。振り返るなよ。いまだ、ディーン。行け!メアリー!そんな!)
[ディーンは外に出る]
Dean: It’s okay, Sammy.(大丈夫、サミー。)
John: I got you.(捕まえたぞ。)
さて事態は急展開しました。お母さんが天井に張り付いているシーンは最初見るとやっぱり少し怖いですね。字幕では、お父さんはディーンにTake your brother outside as fast as you can.と言っていることになっています。as ~ as S can「Sができる限り~」ですから、ここでは「できるだけすばやく」です。しかし、どうしてもfastに聞こえず、bestに聞こえるのです。最終的にほかの人にも聞いてもらって、Take your brother outside as best you can.と言っているという判断になりました(間違っているかもしれません)。『ウィズダム英和辞典』でas best one can [may]は「⦅話⦆(困難な状況下で)可能な限り、できるだけ」と説明され、次のような例が挙がっています。
I tried to change the situation as best I could.(全力を尽くして状況を変えようとした。)
またGarner’s Modern English Usageを引いてみると、as best one canのasは、いわゆる同等比較のas … asのasとは違うものだが、ネイティブでも間違ってas best as one canとしてしまうことがある、というようなことが書かれていて面白いです。
look backは「後ろを見る、振り返る」で、「過去を振り返る」ような場合も使えます。
さて燃える家から脱出したディーン。お父さんもやってきて、すり抜けながらディーンをかっさらっていきます。その時のI got you.は普通に「捕まえた」だと思いますが、日本語にしにくいですね。
[消防士たちが消火している]
Man: It’s all right. I got it. Move the line up.(大丈夫だ。わかった。ホースを上に動かせ。)
Man: Here.(ほら。)
Man: Let’s get a stream on the right.(右側に放水するぞ。)
Man: I got it.(わかった。)
Man: Hey, stay back. You have to stay back. Come on. You have to stay on the curb. (すみません、下がって。下がってください。ちょっと。縁石のところにいてください。)
消防士がI got it. と言いますが、これは「わかった」という意味で頻出フレーズ。getには「~を理解する」という意味があります。「(知識など)を得る→~を理解する」というように意味が広がっていきます。日本語で「納得する」に「納める」「得る」という漢字が使われているのと発想は同じだと思います。
Move the line up.のlineは「ホースのことかな」と予想がつきますが、辞書の訳語では発見できませんでした。ネットで検索してみるとFundamentals of Fire Fighter Skillsという本の一節がヒットしました。そこには以下のように書かれています。
When the hose line is charged and advanced into the fire floor, gravity will help to move the line forward.
これでhose lineを単にlineと言うことがあるのだとはっきりしました。
Let’s get a stream on the right.のlet'sですが、「一緒に~しましょう」というようなのんびりした訳がふさわしい状況ではないですよね。こういう緊迫した状況でも使えるのだという認識があまりありませんでしたので、勉強になりました。「(みんなで一緒に)~するぞ!」という感じでしょうか。streamは「小川、流れ」などの意味がありますので、ここの場面では「水、放水」でしょう。実際にはon the rightの後にsideと言っていますね。「右側で水を得る」ということで「右側に放水する」ということになるのでしょう。日本語字幕は「右側にかけろ」となっています。
さて、野次馬たちがやってきているので、Stay back.「後ろでとどまれ→下がってください」と言い、さらにYou have to stay on the curb.と続きます。まずhave toは「~しなければならない」ですが、この場面ではYou have to do ~ で「命令・指示・お願い」をしていますね。こういう使い方はなかなか思いつきもしないので勉強になります。curbは「⦅主に米⦆(歩道の)縁(石)、へり」で、TOEICのListeningのPart1で頻出です。あとは動詞として「~を抑制する」という意味もあります。有名な英単語集『DUO』の例文で覚えました。次のような例文でした。
The committee called on all nations to work side by side to curb air pollution.
(委員会は大気汚染を抑制するために協力することをすべての国に要請した(私訳))
「へり」なんて単語をいつ使うのかという気もしますが、TOEICにも出ますしDUOにも載っていますから、重要な単語なのでしょう。DUOは多くの人が使っていて評判がいいですし、私も全例文を暗記ました。皆さんはどんな単語集で学習してますか?
参照文献
Garner, B. A. (2016) Garner's Modern English Usage, Oxford University Press.
井上永幸・赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典 (第4版)』三省堂.
鈴木陽一 (2000)『DUO 3.0』アイシーピー.
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