スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 1-8 He gave me a 45. 45をくれた

こんにちは、トムです。スーパーナチュラルを見ながら英語の勉強をしていきましょう。今回は結構進むことができました。けれど、いつ1話が終わるんですかね…今回は英語字幕にはないけれども自分の耳に聞き取れたセリフは、アンダーラインをつけて示しています。

 

Sam: Come on, you can’t just break in, middle of the night, expect me to hit the road with you.(勘弁しろよ、真夜中に侵入してきて一緒に出掛けるのを期待するなんてさ。)

Dean: You are not hearing me, Sammy. Dad’s missing. I need you to help me find him. (俺の言ってること聞いてないだろ、サミー。親父が行方不明なんだ。見つけるのを手伝ってもらいたいんだよ。)

Sam: You remember the Poltergeist in Amherst? Devil’s gate in Clifton? He was missing then, too. He’s always missing, and he is always fine. (アムハーストでのポルターガイスト覚えてるだろ?クリフトンでの悪魔の門は?その時も行方不明だった。いつも行方不明になってるけれど、いつも無事だろ。)

Dean: Not for this long. Now, you gonna come with me or not? (こんなに長かったことはない。で、一緒に来るのか、来ないのか?)

Sam: I’m not. (行かない。)

Dean: Why not?(どうして?)

Sam: I swore I was done hunting. For good. (狩りはやめると誓ったんだ。一生。)

Dean: Come on. It wasn’t easy, it wasn’t that bad. (おいおい。楽なことじゃなかったけど、そんな悪くはなかっただろ。)

Sam: Yeah? When I told Dad I was scared of the thing in my closet, he gave me a 45.(そう?親父にクローゼットの中にいるものが怖いって伝えたとき、親父は45口径を渡してきたんだぞ。)

Dean: What was he supposed to do?(どうすりゃよかったんだ?)

Sam: I was 9 years old. He was supposed to say, “Don’t be afraid of the dark.”(僕は9歳だった。「闇を怖がるな」と言うべきだったんだよ。)

Dean: “Don’t be afraid of the dark”? You kidding me? Of course you should be afraid of the dark. You know what’s out there. (「闇を怖がるな」だって?冗談だろ?闇は恐れるべきなんだよ。そこに何がいるか知ってるだろ。)

Sam: I know. But still the way we grew up, after Mom was killed and Dad’s obsession to find what killed her. But we still haven’t found the thing. So we kill everything we can find. (ああ。けどおふくろが殺された後の僕たちの育ち方、そして親父がおふくろを殺したものを探すことに取りつかれて。けどまだ犯人を見つけていない。それで見つけるものは全部殺している。)

Dean: Save a lot of people doing it too. (そうしながら多くの人を救ってるだろ。)

 

サムはディーンと二人になって文句を言い始めます。come onは「(直前の行動・発言に納得がいかなくて)おいおい、ちょっと、ばかなこと言うなよ、冗談じゃないよ」の意味。break inは「侵入する」expect O to doは「Oが~することを期待する」hit the roadは「旅に出る、出発する」です。expectの前には意味的にはandがあると思いますが、話し言葉では言わないこともあるのでしょう。「真夜中に侵入してきて一緒に出掛けることを期待することはできない→期待するなんでどうかしてる」という感じでしょう。実際のセリフではhit the roadの後にwith youがあります。

 

ディーンはサムに「俺の話聞いてるか?」と言います。「聞いているならどれだけ非常事態かわかるだろ?文句言っていないで手伝え。」ということです。need O to doで「Oが~することが必要だ→Oに~してほしい」でwant O to doとほぼ同じ意味と使い方。help O (to) doは「Oが~するのを手伝う」でtoは省略される傾向があります。英語字幕にない部分も補うと、セリフはI need you to help me find him.で、「親父を探すのを手伝ってほしい」です。want O to doのdoの部分にhelp O doが入るという複雑な構造のような気もしますが、もちろんネイティブはさらりと言います。慣れですよね。

 

さてサムはポルターガイストや悪魔の門といった過去扱った事件を挙げ、その時も親父は行方不明になったと言い、その時も大丈夫だったんで今回も大丈夫だという主張です。He’s always missing, and he’s always fine.の部分の現在進行形は、「繰り返し」を表す用法で、よくalwaysを伴い「いつも~している」という意味。とくに前半は「非難」の意味も帯びています。

 

けれどもディーンはNot for this long.「こんなに長い間(行方不明になること)はない」といい、一緒に来るかどうか尋ねます。サムの答えは「行かない」で、その理由は「やめると誓った」から。swear – swore – swornは「(~を)誓う;ののしる」で、be done doingやbe done with+名詞 は「~するのを終えている、やめている」です。何かを終えたときにはI’m done.「終わった」と言いますし、終えたものを主語にしてMy job is done.「仕事が終わった」のようにも言えるようですね。というわけで「狩りはやめると誓った」です。was doneと過去形になっているのはsworeと時制の一致をしているから。for goodは「永遠に」。for goodは『DUO』をやっていなかったら知らなかったかもですが、よく使うフレーズのようです。

 

狩りを辞めたという弟に対し、「おいおい、楽じゃなかったけれど、そんなに悪くもなかっただろ」とディーンが言います。not that badは「そんなに悪い体験ではない」というような意味だと個人的には思いますが、日本語字幕でも吹き替えでも「犯罪ではない」という意味で訳しています。どちらがいいか、正直私には判断がつきませんが、私のような解釈でも間違ってはいないのではと思います。

 

このディーンの発言にはサムは賛同できない。Oh, yeah?とかYeah?で「本当に?」という感じの意味。tell + 人 + (that) ~で「人に~と言う」。tellを「伝える」の意味で使うときには、tell the truthなどの決まった言い方以外では、基本的に「人」の部分を明示しないといけません。tellがこの意味のときには「誰に何を伝達するか」に意味の焦点があるからです。一方sayは「何を言うか」という発言の内容に意味の中心があるので、He said (that) you were absent from school yesterday.のように「人」の部分がないのが普通でしょう。

 

お父さんに「クローゼットの中にいるものが怖い」と伝えると、45、つまり45口径の銃を渡してきたとあります。サムとしたら「これでもnot that badと言えるか?」と言いたいのでしょう。

 

be supposed to doは「~することになっている、~しなければならない」で、よくWhat am I supposed to do?「どうしろって言うんだ?」というフレーズで見かけます。『DUO』や『100%使いこなすための知られざる基本英単語の使い方』にも載っていることからして、超重要単語でしょう。What was he supposed to do? で「親父はどうしないといけなかったんだ→どうすべきだったんだ→どうすりゃよかったんだ」みたいな意味が思い浮かべばOKでしょう。

 

サムの答えは、9歳のサムには銃を渡すのではなく、「暗闇を怖がるな」と言うべきだったと言いますが、ディーンはYou kidding me? 「冗談だろ?」と一蹴します。Are you kidding me? You kidding me? のように疑問文で使うことありますし、You're kidding (me)!やYou’ve got to be kidding! You must be kidding! のようにも言いますが、「冗談だろ、ウソだろ」という意味は同じ。ディーンはむしろ「闇は恐れるべきなんだ。闇に何がいるか知ってるだろ」と続けます。

 

サムも「知っている」とは言いますが、But「けれど」と続きます。the way SV…は「SがVする方法」なので、the way we grew up, after Mom was killedは「おふくろが殺された後の僕たちの育ち方」ですね。obsessionは「妄想、執着、執念;強迫観念」などの意味ですので、Dad’s obsession to find what killed herは「おふくろを殺したものを見つけるという親父の執着」とか、もう少し柔らかく訳すと「お袋を殺した奴を見つけることに親父がとりつかれたこと」という意味になるでしょう。

 

さてこのセリフには文の中心となる動詞がありません。修飾語を取り除くとThe way and Dad’s obsession.になると思います。解釈しにくいのですが、ちょっと前にディーンが言った「not that bad」にサムは賛同してませんでした。45口径の銃の件ではディーンに反論されたので、今度は「…の方法や…という親父の執着はどうだ。ひどいことだろ。」という例として挙げているのではないでしょうか。具体例を挙げるときは名詞をポンポンと並べることができますから。

 

But we still haven’t found the thing.「にもかかわらず犯人をまだ見つけていない」、So we kill everything we can find.「なので見つけることができるものは全部殺している」というわけで、「こんな状況がnot that badか?」と言うことだと思います。

 

ディーンはやっぱり反論して、Save a lot of people doing it too.「そうしながら多くの人を救ってるだろ(だからhuntingはnot that badだ)」となりますここは主語の省略。We save a lot of peopleは現在形なので「普段から救っている」という習慣の意味doing itはいわゆる分詞構文だと考えられます。多くの人を救うこととdoing itが同時だと示す用法です。itは前文のサムのセリフである「見つけることができるものをみんな殺すこと」で、「殺して回ると同時に多くの人を救っている」と言いたいのでしょう。この同時に起こっていることを示す分詞構文の例を『ブレイクスルー総合英語』で見てみました。次のような例文が載っています。

 

He always eats breakfast reading a paper.(彼はいつも新聞を読みながら朝食を食べる。)

She was making sandwiches, talking with her daughter.(彼女は娘と話しながらサンドイッチを作っていた。)

 

いくつかの分類がほかにもありますので、参考書などを見て復習するのもいいかもしれません。

 

ドラマで勉強していると、文法は役に立たないものではないことが良くわかります。仮定法とか関係代名詞とか分詞構文とか、いっぱい出てきます。スパナチュで英語の文法の勉強も頑張っていきましょう。文法のまとめをいつか書けたらなと思います。

 

参照文献

日向清人・狩野みき (2011)『100%使いこなすための知られざる基本英単語のルール』DHC.

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』 (第4版), 三省堂.

鈴木陽一 (2000)『DUO 3.0』アイシーピー.

吉波和彦・北村博一・上野隆男・本郷泰弘 (2011)『ブレイクスルー総合英語』(改訂2版), 美誠社.