スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 1-12 He’s probably got Jim, Jack and Jose. ジムたちって友達の名前かな?

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って英語の勉強を続けていきましょう。前回とうとうディーンと一緒にお父さんを探すことにしたサム。出発の準備をしているとジェシカが現れます。

 

Jessica: Wait, you’re taking off? Is this about your Dad? Is he all right?(待って、出発するの?お父さんのこと?お父さん大丈夫?)

Sam: Yeah. Just a little family drama. (ああ。ちょっとした家族の出来事だよ。)

Jessica: Your brother said he was on some hunting trip? (お兄さんはなんか狩りに出てるって言ってたけど?)

Sam: Oh, yeah, he’s just deer hunting up at the cabin. He’s probably got Jim, Jack and Jose along with him. We’re just gonna go bring him back. (ああ、そうなんだ、山小屋で鹿を狩っててさ。たぶん酒も持ってる。親父を連れ戻してくるよ。)

Jessica: What about the interview? (面接はどうするの?)

Sam: I’ll make it. This is only for a couple days. (間に合うさ。2、3日だからね。)

Jessica: Sam, I mean, please. Stop for a second. You sure you’re okay? (サム、ねえ、お願い。ちょっと待って。本当にあんた大丈夫?)

Sam: I’m fine. (大丈夫だよ。)

Jessica: It’s just… You won’t even talk about your family. Now you take off in the middle of the night to spend the weekend with them. And with Monday coming up, which is a huge deal…(だって…家族のことさえ話そうとしないのに、今は週末を一緒に過ごすために深夜に出発しようとしているのよ。月曜も近づいていて、それってすごく大ごとなのに…)

Sam: Hey, everything’s gonna be okay. I’ll be back in time. I promise. (なあ、全部うまくいくよ。時間までには戻ってくる。約束するよ。)

Jessica: At least tell me where you’re going. (せめてどこに行くかだけでも教えてよ。)

 

出発の用意をしているサムを見てyou’re taking off? と聞くジェシカ。take offは「(飛行機が)離陸する」の意味が最も知られていますが、口語では「(特に黙ったまま、急に)出発する」という意味があります。

 

サムはJust a little family drama.と言います。dramaは「ドラマ、劇、芝居」などの他に、「劇的事件」のような意味もあり、字幕翻訳では「ちょっとした家族のもめごと」となっています。

 

 Your brother said he was on some hunting trip? 「お兄さんはなんか狩りに出てるって言ってたけど?」のsomeは「(具体的にはわからないけれど)あるなんらかの」の意味です。「ちょっとしたもめごとって言うけど、なんか狩りって言ってたわよ、お兄さん」と言う感じで、さらに説明を求めているわけです。

 

サムはcabinで鹿狩りをしていると言います。cabinは「(山)小屋」で、そこから狭い「小さな住宅、船室、飛行機の機室」などの意味になります。

 

He’s probably got Jim, Jack and Jose along with him.の’ve gotはhaveと同じ意味になるのでした。JimやJackやJoseを持っているということです。以前にMillerがビールを指していたことがありますが Jim はJim Beam という銘柄でバーボンのこと, JackはJack Danielsでウィスキーのこと、JoseはJose Cuervoでテキーラのことのようです。アサヒやキリンやサントリーと聞いたらビールとかウィスキーが思い浮かぶように、アメリカ人ならすぐに思い浮かぶのでしょうね。と言うわけで、「親父はたぶん酒もたくさん持って行っている」と言いたいわけです。

 

ジェシカはWhat about the interview?「面接はどうするの?」と尋ねます。How about ~ ? とWhat about ~? はどちらも「~はどうですか」となりますが、違いはなんなのでしょう。「あまり違いはない」という意見もあるようです。しかし基本的には、How about ~ ? はそれまで話題に上ってもいなかったことを切り出す時に、What about ~ ? は既に話題になっていることに関して確認する感じで使うということのようです(『即戦力がつくビジネス英会話2』)。この場合、ジェシカは月曜に面接があることは知っていますので、面接は既知の話題となりますから、What about the interview? と言ったのだと考えられます。

 

I’ll make it.はこの場面では「間に合う」と言う意味。make itは「たどり着く、間に合う、上手くいく、立ち直る」などの意味があります。おそらくitは漠然とした望ましい状況を指し、「望ましい状況を作る」から上記の「うまくいく」などの意味が出るのだと思います。

 

Stop for a second.のfor a secondは「少しの間」です。secondは「秒」ですので直訳すれば「1秒の間」ですが、「少しの間」の意味でよく使います。for a minuteやfor a few seconds、for a few minutesでも「少しの間」ですが、緊急度のニュアンスの違いを出すことができるかもしれません。ただ、それぞれの表現は文字通りの意味にとられる可能性もあることは考慮した方がいいのかもしれません。

 

You won’t even talk about your family. のwon’tは意思を表すwillの否定形で、「どうしても~(しようと)しない」evenは強調で「さえ」の意味です。「話さえしない」ということ。にもかかわらず真夜中に家族のことで出発しようとしているので、ジェシカは心配なのです。

 

And with Monday coming up, which is a huge deal…のwith Monday coming upは、with + 名詞 + 分詞という形を考えれば、いわゆる付帯状況のwithでしょう「名詞が分詞しながら」という意味で、何か物事が同時に起こっていることを表します。この付帯状況がかかるのはおそらく前の文で、「出発しようとしている」と同時に「月曜が近づいている」ということではないでしょうか。次の, whichは前の文を補足説明するwhichの用法です。また出てきました。huge dealは「大ごと」ですので、「月曜が近づいてくること=面接」は「大ごと、大事なこと」と、追加的に言っていると思われます。もしくは、And withのところで文は切れていないと考え、前の文は「月曜が近づいているにもかかわらず週末を家族と過ごすこと」は「大ごと、大変なこと」と言っているのかもしれません。どのように考えればいいのでしょう。

 

心配するジェシカをよそに、「全部うまくいくよ」と言ってサムは出ていきます。ジェシカは出ていくサムの背中にAt least tell me where you’re going.「せめてどこに行くかだけでも教えてよ」と言います。at leastは「せめて、少なくとも」で、where以下は間接疑問文です

 

どこまで正しく解釈できているか、どこまで文法的な分析があっているか確信はなかなか持てません。それほどまでに英語は、というか言葉は、奥が深いものなのでしょうね。スパナチュで英語の学習を続けて、奥深さを少しでも理解できるようになりたいです

 

参照文献

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.

日向清人・狩野みき (2014)『即戦力がつくビジネス英会話2』DHC.