スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 1-14 It’s the greatest hits of mullet rocks. mulletは魚のボラ?

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」を楽しく見ながら英語の勉強を続けましょう。今回はサムとディーンの会話から始まります。

 

Dean: Hey. You want breakfast?(おい、朝食いるか?)

Sam: No, thanks. So how’d you pay for that stuff? You and Dad still running credit-card scams?(いや、いい。で、どうやって支払ったんだ?父さんとまだクレジットカード詐欺を?)

Dean: Yeah, well, hunting ain’t exactly a pro-ball career. Besides, all we do is apply. It’s not our fault they send us the cards. (ああ、そうだな、狩りは稼げねえからな。それに、俺たちがしているのは申し込みだけ。カードを送ってくるのは、俺たちのせいじゃない。)

Sam: And what names did you write on the application this time?(で、今回は申し込みに何て名前を書いたんだ?)

Dean: Burt Aframian and his son Hector. Scored two cards out of the deal.(バート・アフラミアンと息子のヘクター。取引で2枚カードを手に入れたんだ。)

Sam: Sounds about right. I swear, man. You’ve got to update your cassette-tape collection.(いいね。言っておくけど、カセットテープコレクションを新しいのにしておけ。)

Dean: Why?(なぜ?)

Sam: Well, for one, they’re cassette tapes. And two… Black Sabbath? Motorhead? Metallica? It’s the greatest hits of mullet rocks.(まず1つには、カセットテープだから。そして2つ…ブラックサバス?モーターヘッドメタリカ?昔のロックのヒット曲じゃないか。)

Dean: Well, house rules, Sammy. Driver picks the music… shotgun shuts his cake hole.(あのな、家訓だ、サミー。運転手が音楽を選ぶ。助手席は黙ってろ。)

Sam: You know, “Sammy” is a chubby 12-year-old. It’s Sam, okay?(おい、サミーは12歳のぽっちゃりのことだ。サムだよ、いいか?)

Dean: Sorry, I can’t hear you. The music’s too loud.(すまん、聞こえねえ。音楽がでかすぎて。)

 

「おい、朝食いるか?」と言うディーンに、So how’d you pay for that stuff?「で、どうやってものの金を払ったんだ?」と聞くサム。stuffは「もの」で、staff「スタッフ、人員」と混乱しないように気を付けます。この場面ではstuffはディーンが朝食に買ってきた「もの」のこと。

 

サムはYou and Dad still running credit-card scams?「父さんとまだクレジットカード詐欺をしているのか?」と尋ねます。be動詞は口語ではよく省略されますscamは口語で「詐欺、ペテン」の意味でscammerが「詐欺師」。よく罵りで使う「クズ」の意味の単語はスペルが1文字違うscumやscumbagです。「詐欺をする、詐欺を働く」はrun a scamと言えるようで、run a store「店をする、店を経営する」と同じような意味と考えればいいと思います

 

詐欺をする理由は、hunting ain’t exactly a pro-ball careerです。ain’tはam [are, is] notの短縮形で、非標準的な言い方ですが、くだけた会話では使われることがあるようですain’tはhave [has] notの短縮形や、黒人英語ではdo [does, did] notの短縮形としても使われるようですpro-ballはprofessional ball game「プロ球技」のことのようで、アメリカのテレビ番組が発祥だとか。アメリカ以外では使われない言い方かもしれません。「狩りはプロ球技のキャリアではない」ということで、要は「狩りは稼げない」という意味で、だからカード詐欺をしているということでしょうね。

 

besidesは「さらに、そのうえ」。自分たちがしているのは申し込みだけで、カードを(だませれて)送ってくるのはその人たちの責任とディーンは言いますが、よく考えるとひどい気も(^_^;) まあ、この詐欺の中身をよく理解できていないのですが。It’s not our fault they send us the cards.はThat they send us the cards is not our fault.が元の形で、that節が文頭にあると重苦しい感じがするので、Itを仮主語においてthat節を後ろに回した形でしょうか

 

さてカードの名義はバート・アフラミアンと息子のヘクターでカードは2枚あるわけです。Scored two cards out of the deal.のscoreは名詞では「スコア、点」で、動詞では「(点)を取る・手に入れる、(点)を与える、(成功など)を収める」の意味です。基本、目的語は点数になりますが、ほかのものでもいいようで、ここでは「2枚のカードを手に入れた」でしょう。out of the dealは使われる動詞によって意味が大きく変わりそうです。ここでは「取引でカードを手に入れた」でしょう。get out of a dealだと「契約から抜け出す」のような意味にもなるようです。

 

ディーンの話を聞いた後、サムはI swear, man.「言っておくぞ、なあ」と言い始めます。I swearで「誓って言うが」ですが、ここでは「はっきり言っておくけど」という感じでしょう。何を言うかというと「カセットテープコレクションを更新しておけ」ですね。’ve got toはhave toと同じ意味でした

 

なぜと聞くディーンに対し、for one「まず1つに、第一に」、これらはカセットテープだ、だから新しくCDにしろ、ということ。今はもはやCDさえ古いようですが。そして第二に、「ブラックサバス?モーターヘッドメタリカ?」と続きます。そもそも曲自体が古いだろと言いたいのです。

 

It’s the greatest hits of mullet rocks.のmulletは辞書では「ボラ」と書いてあって、いったいなんなんだと…けれども、もう少し調べてみるとmulletはマレットという髪の毛の長さが頭の左右は短く、後ろだけが長いヘアースタイルのことのようでした。しかも昔のロック歌手が良くしている髪型だということが分かりました。そのままでは訳しようがないのですが、要はmullet rockは「昔のロック」ということで、全体は「それは昔のロックの偉大なヒット曲だ→古すぎだろ」ということでしょう。字幕では「懐メロもいいとこ」となっていてさすがプロです。

 

それに対してディーンは「家のルールだ、サミー。運転手が音楽を選ぶ」と言いながらカセットを機械に入れ、shotgun shuts his cake hole.と続けます。cake-holeは[英俗]で「口」の意味で、Shut your cake-hole.で「黙れ」の意味。主語のshotgunの方は[俗]で「助手席」だそうです。ride shotgunで「助手席に乗る」です。「助手席は黙ってろ」ということですね。shotgunが「助手席」を意味するのは、西部開拓時代に馬車で移動するとき、助手席の人がショットガンを持って護衛することから来ているようです。またこれが歴史的な意味ですが、違う考えを持っている人もいるようです。余裕がある方はオンラインで検索できるUrban DictionaryThe Phrase Finderなどでshotgunまたはriding shotgunで調べてみてください。

 

サミーと言われるのが気に入らなかったサムは、サムと呼べと言います。chubbyは「ぽっちゃりした」でchubbyのチャと日本語の意味の音が似ていて覚えやすいです。サムの主張はしかし、Sorry, I can’t hear you. The music’s too loud.「すまん、聞こえねえ。音楽がでかすぎて」と言われて流されます。

 

音楽は全く詳しくなく、正直調べる気力もないのですが、「音楽がでかくて聞こえねえ」と言っているときに流れている曲が、昔のロックの偉大なヒット曲なのでしょうか。何がロックで何がヘビメタかもよく知りませんが。

 

さあ、もしかしたらついでに音楽のことも知ることができるかもしれません。興味がある人はいろいろ調べてみてください。やっぱりスパナチュでの勉強は役に立ちそうですね。続けていきましょう。

 

参照文献

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.

参照サイト

https://www.urbandictionary.com/

https://www.phrases.org.uk/