スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 1-16 we gotta get to the bottom of this thing ourselves この事件の真相に自分たちでたどり着かないと

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。事件現場にいる警官にディーンが質問しています。

 

Dean: Any connection between the victims, besides that they’re all men?(全員が男ということ以外で、犠牲者のつながりは?)

Man: No, not so far as we can tell.(いや、分かる範囲ではない。)

Sam: What’s the theory?(個人的見解は?)

Man: Honestly? We don’t know. Serial murder? Kidnapping ring?(正直に言うとか?分からん。連続殺人?誘拐組織?)

Dean: Well, that is exactly the kind of crack police work I’d expect out of you guys.(ま、期待した通りの一流の仕事だな。)

Sam: Thank you for your time. Gentlemen. What’s that?(お時間どうも。みなさん。なんだよ?)

Dean: Why step on my foot?(なんで足を踏んだ?)

Sam: Why do you talk to the police like that?(なんで警察にあんな話し方なんだよ。)

Dean: Come on. They don’t really know what’s going on. If we’re gonna find Dad, we gotta get to the bottom of this thing ourselves.(おいおい。警察は何が起こっているか本当に分かってない。もし親父を探すなら、この事件の真相へ自分たちでたどり着かないと。)

Man: Can I help you boys?(何か御用かな?)

Dean: No, sir. We were just leaving. Agent Mulder. Agent Scully.(いいえ。ちょうど帰るところでして。モルダー捜査官。スカリー捜査官。)

 

ディーンの質問から始まります。文頭にはIs thereがあるはずですが、省略されています。connectionは「つながり」besidesはこの場面では前置詞で「(疑問文・否定文で)~を除き、~以外で」。besidesの後ろのthatは名詞節を作るthatで、that they’re all men「行方不明者が全員男だということ」の意味。thatの後ろには名詞節SVが来るわけですから、結局besides thatの2語で接続詞のような役割を果たしています

 

so far as SVは「SがVする範囲で」で、as far as SVとも言います。分かる範囲ではnotである、つまり「分かる範囲ではつながりはない」ということです。サムのセリフのtheoryは「理論、学説」の意味が主ですが、「推測、個人的見解」などの意味もあるようです。「君の理論は?」では大げさすぎますね。opinionやthought、ideaくらいの意味で、「君の考えは?」と聞いています。

 

honestlyは「正直に、正直言って」などの意味で、ここでは「正直に言ってほしい?」とか「正直に言わないといけないか?」のような意味でしょう。で、正直言うと「分からない」と。serial murderは「連続殺人」ringは「輪」という意味から「組織」という意味まであるようです。「金属などの輪」→「人の輪」→「一味、組織」という意味の拡張が起こったと考えられます。

 

分からないという警官に対してディーンは、that is exactly the kind of crack police work I’d expect out of you guys.と言います。まずcrackは名詞では「ひび、欠陥、(亀裂が入るときなどの)鋭い音」などの意味ですが、形容詞では「一流の・優秀な・素晴らしい」のような意味があります。that is exactly the kind of crack police workは「それは正に一流の警察の仕事」というわけです。なぜcrackがこのような意味になるのかははっきりとは分かりません。Urban Dictionaryには「しばしば音楽を描写するときに使う」とあります。そこから想像してみましたが、「ひび」→「(ひびの入る)鋭い音」→「(鋭い音の)素晴らしい」音楽→「一流の」音楽、のような意味変化があったのかもしれません。根拠となる出典は見つけていないので、あくまで我流の覚え方です。

 

文の後半のI’d expect out of you guysはcrack police workを修飾しています。「あんたらに期待する」です。何も手掛かりをつかめていない警察に対し、「それは正に一流の警察の仕事で、あんたらにはそれを期待する」というわけで、皮肉のような、バカにしているような表現でしょう。’dはwouldの短縮だと思いますが、意味はなんでしょうか。おそらくですが、「(当然)~だ」を表すwouldではないかと思います。この意味でとると、より皮肉が強力になると思うからです。

 

あまりの発言に、サムはディーンの足を踏んづけます。サムは丁寧にその場を去っていきますが、ディーンになぜ足を踏んだのか問われます。サムは逆に質問して、Why do you talk to the police like that?「なぜ警察にああいう風に話すのか?」と問います。

 

They don’t really know what’s going on.「警察は何が起こっているか本当に分かっていない」とディーンは言い、「親父を見つけるなら、自分たち自身でこの事件の真相へたどり着かないといけない」と述べます。go onはふつう進行形で「起こっている」の意味でした。gottaはhave got toからhaveが脱落し、残りが短縮した形。have toと同じ意味になるのでした。bottomは「底」ですが、「原因、真相」という意味にもなります。これは「物体の底」→「物事の底、根底」→「原因、真相」という意味拡張が起こったと考えられます。日本語でも根底では底という字が使われているのは興味深いです。さて、このディーンのセリフは、「警察は頼りにならない」ということしか言っていません。頼りにならないからと言って、警官の目の前で警官を馬鹿にしていい理由にはならないはずです。結局サムの質問の答えにはなっていない気がします。

 

そこへ年配の警官が登場し「何か御用かな?」と質問してきます。横にはFBI捜査官が2人います。ディーンは「何もありません」と言って去りながら、「モルダー捜査官。スカリー捜査官。」と言います。モルダーとスカリーは、有名な海外ドラマ『Xファイル』の主人公であるFBI捜査官の名前です。ディーンは調子にのったりふざけたりする癖がありますね。

 

さて、wouldのような単語が出てくると毎回解釈に困ります。ほかにも解釈の仕方があるかもしれません。皆さんも辞書を引くなどして、一緒に考えてみませんか?海外ドラマ「スパナチュ」は英語の勉強に役立ちますね。

 

参照文献

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.

参照サイト

https://www.urbandictionary.com/