スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 1-18 Here's the deal. いいかい、よく聞いてくれ。

1-18

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。続きを見ていきましょう。

 

Amy: I was on the phone with Troy. He was driving home. He said he would call me right back. And… he never did.(トロイと電話してたの。家に車で帰ってるところだった。すぐにかけ直すって言ったの。そして…かけてこなかった。)

Sam: He didn’t say anything strange… out of the ordinary?(何か変な、普通じゃないようなこと言ってなかった?)

Amy: No. Nothing I can remember.(いいえ。覚えてることは何も。)

Sam: I like your necklace.(君のネックレスいいね。)

Amy: Troy gave it to me. Mostly to scare my parents with all that devil stuff.(トロイがくれたの。もっぱら、こんな風な悪魔的なもので親を怖がらせるためにね。)

Sam: Actually, it means just the opposite. A pentagram is protection against evil. Really powerful. I mean, if you believe in that kind of thing.(実は、それが意味するのはちょど反対のことなんだ。ペンタグラムは悪魔からの防御だよ。その、もしそういったものを君が信じているならだけどね。)

Dean: Okay. Thank you, Unsolved Mysteries. Here’s the deal, ladies. The way Troy disappeared… something’s not right. So if you’ve heard anything… What is it?(分かった、どうも、 。よく聞いてくれ。トロイの消え方…何かがおかしいんだ。だからもし何か聞いていれば…なんだ?)

Woman: Well, it’s just—I mean, with all these guys going missing, people talk.(その、ただの…つまり、みんなが行方不明になっているから、みんなが言ってるわ。。)

Sam & Dean: What do they talk about?(何について?)

Woman: It’s kind of this local legend. This one girl, she got murdered out on Centennial, like, decades ago. Well, supposedly she’s still out there. She hitchhikes. And whoever picks her up… well, they disappear forever.(地元の伝説みたいなもの。ある女性がセンテニアルで殺されたの、何十年か前に。で、どうもそこに彼女がまだ出るみたいなの。ヒッチハイクして。彼女を乗せた人はみんな…その、みんな永遠に消えるの。)

 

talk on the phoneはなじみがあるのですが、be on the phone「電話している」ということもあるのですね。でもいいのですね。エイミーはトロイと電話していて、彼はすぐ折り返しかけると言ったわけです。ここのwouldは時制の一致で、これは完全に過去の意味。分かりやすい。

 

サムはトロイが何か変なこと言ってなかったか聞きます。out of the ordinaryのordinaryは「普通の、普通の状態」ですから、out of the ordinaryは「普通の外の→普通ではない、異常な、おかしな」です。エイミーは何もないと答えます。

 

サムはI like your necklace.「君のネックレスいいね」と言います。直訳すると初対面の相手に「君のネックレス好きだよ」ですから怖いですが、怖い意味は全くなく、単なるほめ言葉。どんどん相手にI like your ~.と言っていいのです。

 

Mostly to scare my parents with all that devil stuff.のmostlyは「たいてい、大部分は、主に」to scare…は不定詞の副詞的用法です。「~するために」という基本的な意味でここは大丈夫かと。ここでは「~を怖がらせるために」です。字幕上は前の文と一度切れていますが、to scare…は前の文を修飾しています。

 

with all that devil stuffのところは、allがあるのにthatやstuffは単数を示しているようですが、stuffは「もの」の意味で不可算名詞です。ですので、all that devil stuffで「こんな風な悪魔的なものみんな」という意味だと思います。自分が身につけているのにthatを使うことが気になりますが実際の距離とは関係なく、心理的距離があればthatを使えるそうですから、そういうことかなと想像しています。トロイからもらったものだしつけてはいるんだけど、みたいな感じでしょうか。

 

サムはそのネックレスは悪魔とは反対だと言います。相手が思っていることと反対のことを言うときにactually「実は、実際は」を使いますoppositeは「正反対の、正反対のこと」。ペンタグラムはevil「邪悪(な)、悪魔の、悪」に対する防御であると言います。pentagramのpent(a)- は「5、5番目の」を意味する単語の頭に付く語(接頭辞)です。五角形はpentagonで、アメリカ国防総省も5角形の形をしているからPentagonと呼ばれます国防総省が5角形なのは国を敵から守るという意味があるのでしょうか?ちなみに六芒星はhexagramで、六角形はhexagonです。ヘキサゴンという番組がありました。

 

さて、サムとしては霊的なものと戦ってきた経験上「事実として」そのような力があると言っていたわけですが、もちろんエイミーたちにとっては事実ではありません。なので少し興奮気味にペンタグラムの説明をした後、if you believe in that kind of thing「そういったものを君が信じているならだけどね」と付け加えることを忘れません。

 

次はディーンが話を元に戻します。Unsolved Mysteriesは普通名詞であれば「未解決の謎」ですが、ここは固有名詞になっていますこの題名の長寿番組がアメリカであったようですので、おそらくそれを指すのでしょうが、何を意味しているのか今回はよくわかりませんでした。日本語字幕では「ウンチクは終わり」となっています。この番組では、いろいろな謎のウンチクを取り扱っていたのでしょうか?

 

Here’s the deal.は直訳では「これが取引だ」ですが、 そこから意味的に広がって「さあ取引だ」→「よく聞いてくれ、いいかい、こうしよう」など、相手の注意をひきつける機能があるようです。似たものにHere’s a deal.があり、こちらは「よしこうしよう、これで決まりだ」のように解決策や決まったことを明言するときに使うようです。

 

トロイの消え方は変だから何か聞いていたら教えてくれというディーン。どうも言いたそうなことがある2人。エイミーの友達が話し始めます。ただし、少し言いにくいことのようです。ですからWell, it’s just—I mean,「その、ただの…つまり、」という言葉がくっついているわけです。これは必要ない雑音ではなく、今から言うことに対してためらいを示すという大切な機能があるわけです。

 

with all these guys going missing, people talk.のwith all these guys going missingは「with+名詞+分詞」の形なので付帯状況のwithです基本的には「SV…+with+名詞+分詞」で「名詞が分詞しながら、SがVする」というように、2つのことが同時進行する状況を表しますただ、with以下が理由を表すこともあります。ここでは理由の意味でとった方が意味的には自然な流れだと思われます。「みんなが行方不明になっているから、人々が話している」というわけで、噂している、ということです。

 

「何について?」とサムとディーンは同時に聞き返します。人々は伝説について話していて、その内容は、数十年前に女性が殺されたというもの。get murderedは「殺害される」get受身も細かいことを言えばいろいろあるでしょうが、とりあえずは普通のbe受身よりも動きを感じる、くらいの認識でいいのではと思います。supposedlyは「一般に考えられているところでは、どうも、おそらく」の意味で、「どうも彼女は出るようだ」というわけです。霊として、ですね。whoeverは仲間のwhateverが以前に出てきましたが、whoever ~で「~はだれでも」という意味です。pick O upは「Oを車に乗せる」ですから、彼女を車に乗せる人はだれでもみんな消えてしまう、というわけです。

 

こうやって見ていくと、難しいことはいっぱいありますね。面白いのは、単語的には決して難しくないように見えるものが実は難しいところでしょうか。スパナチュで英語の勉強をするのはいいですね。まあ、別に何のドラマでもいいのですが。

 

参照文献

安藤貞雄 (2005)『現代英文法講義』開拓社.

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.