スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 1-28 Tell me about it. 同感だ。

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。場面は再び警察署に移ります。警察の取り調べにうんざりしているディーンのセリフから始まります。

 

Dean: I don’t know how many times I gotta tell you, it’s my high school locker combo.(一体何回言わないといけないんですか。これは高校のロッカーの鍵の番号ですよ。)

Man: We gonna do this all night long?(一晩中これを続けるかね?)

Man: We just got a 911. Shots fired over at Whiteford Road.(991です。ホワイトフォード・ロードで発砲がありました。)

Man: You have to go to the bathroom?(トイレに行く必要は?)

Dean: No.(いいえ。)

Man: Good.(よし。)

Man: Let’s go.(いくぞ。)

[警察署から逃げ出し、サムに電話を掛けるディーン]

Dean: Fake 911 phone call, Sammy? I don’t know. That’s pretty illegal.(偽の911通報か、サミー?知らんぞ。重大な法律違反だ。)

Sam: You are welcome.(どういたしまして。)

Dean: Listen, we gotta talk.(聞け、話がある。)

Sam: Tell me about it. So the husband was unfaithful. We are dealing with a Woman in White. She’s buried behind her house, so Dad’s…(同感だ。夫は浮気してた。僕たちは白いドレスの女を扱っていたんだよ。彼女は家の裏庭に埋葬されたから、親父は…)

Dean: Sammy, would you shut up for a second?(サミー、ちょっと黙ってくれるか?)

Sam: Why hasn’t he destroyed the corpse yet?(どうして親父はまだ死体を破壊してないんだろう?)

Dean: Well, that’s what I’m trying to tell you. He’s gone. Dad left Jeriho.(あのな、それが俺が言いたかったことなんだよ。親父はいない。ジェリコを発った。)

Sam: What? how do you know?(なに?何で分かる?)

Dean: I’ve got his journal.(親父の日記を手に入れた。)

Sam: He doesn’t go anywhere without it.(どこへ行くにも持っていくのに。)

Dean: He did this time.(今回はそうしなかったようだ。)

Sam: What’s it say?(なんて書いてあるんだ?)

Dean: Same ex-Marine crap, to let us know where he’s going.(自分がどこにいるか知らせるための,元海兵隊員のいつものやつだ。)

Sam: Coordinates. Where to?(座標か。どこだ?)

Dean: I’m not sure yet.(まだ分からん。)

Sam: I don’t understand. What could be so important that Dad would skip out in the middle of a job? Dean, what the hell is going on?(分からないな。親父が仕事の途中でいなくなるほど重要なことってなんだ?ディーン、いったい何が起こっているんだ?)

[コンスタンスが現れ、急ブレーキをかけるサム]

Dean: Sam! Sam!(サム!サム!)

Constance: Take me home.(家に連れて行って。)

 

まずはディーンと警官のやり取りからです。お父さんの日記の最後の方に書かれていた数字が何を意味するかしつこく警官が聞いているのでしょう。何度もめんどくさいという感じでmy high school locker comboだと答えるディーン。comboは「(数字などの)組み合わせ」なので、「ロッカーの鍵の数字の組み合わせ」だと言っているのでしょう。そこに発砲があったとの通報が入り、警官たちは皆出かけていきます。その隙にディーンは手錠を外し、警察署から脱出します。

 

サムに電話して、礼も言わずに偽の通報はThat’s pretty illegal.「重大な法律違反だ」と言います。それに対して「どういたしまして」と返すサム。ディーンはwe gotta talk.「話さなければならない」と言います。日本語としては「話がある」という表現の方が自然な気がしますが、I have something to tell you.のような表現ばかりではないわけですね。いろいろ覚えておきたいものです。

 

「話がある」と言うディーンに対して、サムはTell me about it.と言います。Tell me about it.は文字通り「それについて教えてください」の意味と、「その通りです、分かります、同感です」のように共感を相手に表す用法とがあります。この場合は後者で、「話がある」と言うディーンに対し、「同感だ(僕も話がある)」と言っているわけです。ですから、ディーンの話を聞かずにサムは自分の話をするわけです。ここで「教えてください」の意味だと、教えてくれと言ったにもかかわらずディーンの話を聞かずにしゃべるサムの行動は矛盾してしまいますから、やはり「同感だ」の意味でとらないといけないでしょう。

 

このTell me about it.の面白いところは、「それについて聞かせてください。(なぜならあなたのお話に共感していますから)」の( )で暗に示されていた部分の一部の意味だけ前面に現れ、本来の「それについて聞かせてください」の意味の部分は背景に消えてしまったと思われることです。「それについて聞かせてください。(なぜならあなたのお話に共感していますから)」のような感じす。聞かせてくださいの部分は消えてしまっているから、必ずしも相手の話をもっと聞きたいわけではない場面でも使えるのでしょうね。

 

さて、話し続けるサム。ディーンに「ちょっと黙ってろ」と言われても続けます。サムは「親父はどうして死体を破壊してないのか」と言います。そこでディーンはthat’s what I’m trying to tell you. 「それが俺が言いたかったことなんだよ」と言い、親父はジェリコを発ったと言います。leave ~ は「~を発つ」でleave for ~ は「~に発つ」です。もちろんleave ~ for ~ のコンボでも使えます。

 

ディーンはお父さんの日記を手に入れたことを伝えます。サムはHe doesn’t go anywhere without it.「それなしでは親父はどこにも行かないのに」と言います。これは直訳すると日本語としては気持ち悪いですね。「どこへ行くにも肌身離さず持っていくのに」くらいがいいと思います。日本語と英語で好まれる表現形式が異なる場合はやはり難しいですね。このように訳すと次のHe did this time.も「今回はそうしなかったようだ」と日本語英語で肯定否定を逆にしないといけません。訳にこだわりすぎると、話すときに難しくなるでしょうから、こだわりすぎもいけないでしょうね。

 

何て書いてあるか聞くサムに対し、Same ex-Marine crap, to let us know where he’s going.とディーンは答えます。ex-marineは「元海兵隊員(の)」で、to let us know where he’s goingは「自分がどこにいるか知らせるために」だと思われます。問題はcrapで、「クソ、くだらないもの」という意味のはずですが、 おそらくここでは深い意味は特になく「もの」の意味ではないかと思います。「自分の位置を知らせるために元海兵隊員がいつも使うもの」ということで、サムはCoordinatesと即答します。coordinateは「座標」です。座標がどこを示しているか聞くサムですが、ディーンはまだわからないと答えます。

 

What could be so important that Dad would skip out in the middle of a job? はいわゆるso that構文が使われています。skip outは「逃げる」。soは「そのくらい、そんなに」という意味なので、What could be so important「何がそんなに重要なんだろう」です。そして「そんなに」とはどのくらいかというのをthat以下が示していますから、that Dad would skip out in the middle of a job「親父が仕事の真ん中で逃げ出すくらい」となります。

 

さて、そう言ったサムの目の前に突然コンスタンスが現れます。急ブレーキをかけて車は止まりましたが、いつの間にか後部座席にコンスタンスは座っています。そして「家に連れて行って」と言います。

 

さあ、この後どうなるのでしょうか。「スパナチュ」で英語の勉強を続けていきましょう。

 

参照文献

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.

南出康世 (編) (2014)『ジーニアス英和辞典』(第5版), 大修館書店.