スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 2-15 It hibernates for years at a time.  一度に何年も冬眠するんだ。

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。ウェンディゴを倒してトミーを救い出すという目標に全員が一致しました。まずは敵を知ること。ということでウェンディゴが生まれた背景や習性が語られます。

 

Sam: “Wendigo” is a Cree Indian word. It means “evil that devours.”(「ウェンディゴ」はクリー・インディアンの言葉だ。意味は「暴食の悪魔」。)

Dean: They’re hundreds of years old. Each one was once a man. Sometimes an Indian, or other times a frontiersman or a miner or a hunter.(奴らは何百年も生きてきる。みんなかつては人間だった。インディアンだったり、開拓者、炭鉱労働者、ハンターだったりした。)

Haley: How’s a man turn in to one of those things?(どうして人間がそんなものに変化するの?)

Dean: Well, it’s always the same. During some harsh winter, a guy finds himself starving cut off from supplies or help. He becomes a cannibal to survive, eating other members of his tribe or camp.(ああ、それはいつも同じだ。厳しい冬の間、供給も助けも断たれて自分が飢えていると気が付く。生きるために食人種になり、部族やキャンプの他の人間を食べる。)

Ben: Like the Donner Party.(ドナー隊のように。)

Sam: Cultures all over the world believes eating human flesh gives a person certain abilities: speed, strength, immortality.(世界中の文化で信じられてるのは、人間の肉を食べることで人にある能力が備わるということだ。すばやさ、ちから、そして不死。)

Dean: If you eat enough of it, over years you become this less-than-human thing. You’re always hungry.(それをある程度食べると、年月を経てこの人間未満のものになってしまう。そしていつも飢えている。)

Haley: So if that’s true, how can Tommy still alive?(それが本当だとして、どうしてトミーは生きていられるの?)

Dean: You’re not gonna like it.(気に入らない話だと思うぞ。)

Haley: Tell me.(教えて。)

Dean: A Wendigo knows how to last long winters without food. It hibernates for years at a time. When it’s awake, it keeps its victims alive. It stores them so it can feed whenever it wants. If your brother’s alive, it’s keeping him somewhere dark, hidden and safe. And we gotta track it back there.ウェンディゴは食料なしに長い冬を生き延びる術を持っている。一度に何年も冬眠する。目覚めたときに、犠牲者を生きたまま捕える。好きな時に食べることができるように保存するんだ。もし兄さんが生きているなら、どこか暗くて、人目につかない安全な場所に確保している。俺たちはそいつをつきとめる。)

Haley: And then how do we stop it?(それで、どうやってあいつを止めるの?)

Dean: Well, guns are useless. So are knives. Basically, we gotta torch the sucker.(ああ、銃も役に立たない。ナイフもな。つうわけでくそ野郎に火をつける。)

 

ウェンディゴというのは、クリーインディアン部族の言葉でevil that devoursという意味らしい。クリ―インディアンは実在する部族で、北アメリカの先住民族の中では非常に大きい部族のようです。devourは「~をむさぼり食う」が中心的な意味で、「~をむさぼり読む、~を使い果たす」のような意味にもなるようです。ウェンディゴはもともと人間で、ウェンディゴになる理由は人の肉を食べてしまったことだということです。

 

During some harsh winter, a guy finds himself starving cut off from supplies or help. 「厳しい冬の間、供給も助けも断たれて自分が飢えていると気が付く」の中のharshは「(気候などが)過酷な、厳しい」supplyは名詞では「供給(量)、供給システム、生活物資」などの意味cut off以下は分詞構文でしょう。「自分が飢えていくのに気が付く」+「供給や助けが断たれている」をなんとなくつないでおきます。さて、そんな状況の中、生きるためにcannibal「人食い人種」になるのだそうです。

 

あまりしゃべらないベンですが、ここでLike the Donner Party.「ドナー隊のように」と言います。ドナー隊は実在した開拓民のグループで、旅の途中でシエラネバダ山脈で雪に閉ざされ、生き残るために人の肉を食べたのだそうです。カリフォルニア史、あるいは西部開拓史におけるもっとも奇怪な事件として有名なようです。

 

次のサムのセリフeating human flesh gives a person certain abilitiesは直訳すると「人間の肉を食べることは人にある能力を与える」となり、日本語っぽくないので少し意訳しました。fleshは「肉」で、fresh「新鮮な」とは別の単語なので気を付けます。この文、聞いて理解するだけなら何とかできる気がしますが、同じような表現を使えるかというと厳しいですねえ。こういう表現ができるんだな、と慣れていくしかないのでしょうね。

 

ウェンディゴが人の肉を食べることは分かりましたが、ではなぜトミーは生きているかもしれないのでしょうか。そのわけをヘイリーは聞こうとしますが、ディーンはYou’re not gonna like it.「それ(生きている理由)を気に入らないだろう」と言います。「聞かない方がいいかもしれないぞ」ということですね。それでもヘイリーはTell me.「教えて」と言います。ウェンディゴは飢えを生き抜く方法を心得ていて、数年間冬眠するそうです。lastは「続く」の意味を習うのですが、他動詞では「(ある期間)を越えて生き延びる」という意味があります。またhibernateは「冬眠する」です。ウェンディゴは起きているときには人間を確保して、It stores them so it can feed whenever it wants.なのだそうです。ここはso (that) の構文でしょう。SV… so (that) S’ can V’ ~ で「~できるように…する」という目的を表す構文でしょう。

 

ヘイリーはAnd then how do we stop it?「それで、どうやってあいつを止めるの?」と、ウェンディゴを倒す方法を聞きます。ディーンは銃もナイフも役に立たないと言い、Basically, we gotta torch the sucker.「つうわけでくそ野郎に火をつける」と言います。basicallyは「基本的には、つまり、要するに」などの訳になります。torchは「たいまつ、トーチ」で、the Olympic torch「オリンピックの聖火トーチ」でも使われますが、ここでは動詞で「~に放火する」の意味です。

 

参照文献

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.