シーズン1 1-25 Or “Squeal-like-a-pig” trouble? それとも「豚のようにキーキー泣く」くらい困った状況?
こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強を続けます。前回警察に捕まってしまったディーン。ディーンに対する取り調べが行なわれている場面から始まります。
Man: So you wanna give us your real name?(それで、本名を話す気になったか?)
Dean: I told you. It’s Nugent. Ted Nugent.(言ったでしょう。ニュージェントです。テッド・ニュージェント。)
Man: I’m not sure you realize just how much trouble you’re in here.(どんくらい困った状況に置かれているかわかっていないようだな。)
Dean: We talking, like, misdemeanor kind of trouble? Or “Squeal-like-a-pig” trouble?(軽犯罪くらい?それとも「豚のようにキーキー泣く」くらい困った状況?)
Man: You got the faces of 10 missing persons taped on your wall along with a whole lot of satanic mumbo jumbo. Boy, you are officially a suspect.(壁に貼ってあった行方不明の10人の写真と、たくさんの悪魔的なわけのわからんものがあった。君は公式に容疑者なんだよ。)
Dean: That makes sense. When the first one went missing in ’82, I was 3.(そりゃ筋が通る。82年に最初の人が行方不明になったとき、俺は3歳ですよ。)
Man: I know you got partners. One of them is an older guy. Maybe he started the whole thing. So tell me, Dean. Is this his? I thought that might be your name. See, I leafed through this. What little I could make out, I mean, it’s nine kinds of crazy. But I found this too. Now, you’re staying right here till you tell me exactly what the hell that means.(相棒がいるんだろう。そのうちの1人はもっと年だ。たぶんそいつがすべてを始めたんだろう。だから教えてくれよ、ディーン。これは彼のものか?ディーンは君の名前だろう?いいか、私はこれをぱらぱらと見てみたんだが、私がわずかに分かったことは、本当にいかれてるってことだ。けれどこいつも見つけた。さあ、ここにいてもらうぞ。これの意味するところをはっきり言うまでな。)
警官に尋問されるディーン。you wanna give us your real name?「本名を話す気になったか?」のような場面で、want to doを使うという発想がなかなかできないわけですが、慣れていくしかないでしょう。
ディーンは本名を言う気はなく、相変わらず適当な偽名を答えます。それに対して警官がI’m not sure…と言います。I’m not sure you realize…の部分はI don’t think that…のようなときと同じく、notはsureにかかっているというよりかは、realizeの方にかかっていると考えるのでしょう。「君は分かっていないと私は確信している」わけです。 how much trouble you’re in here.は、you are in trouble「困っている」の程度がどれだけなのかを聞く疑問文で、「どれほど困った状況に置かれているか」です。
We talking…? は「私たちが話しているのは…ですか?」が直訳ですが、要は「今話しているのって…だっけ?、…のこと?」くらいの意味でしょうか。misdemeanorは「不品行、軽犯罪」、 “Squeal-like-a-pig”は文字通りには「豚のようにキーキー泣く」ですが、どうも映画Deliveranceの有名なシーンのセリフのようです。先頭が大文字になってもいますので、固有名詞的に使っていると思われます。どのようなシーンかというと、男が男に性的暴行をするシーンのようで、そのとき暴行する側がSqueal like a pigと暴行される側に命令しているようです。ここから連想すると、“Squeal-like-a-pig” troubleは「マジでやばい状況」くらいの意味であると推測されます。警官の「どれくらい困った状況かわかっているのか」に対して、「軽犯罪くらい?」=「たいしたことない状況?」、それとも「「豚のようにキーキー泣く」くらい?」=「マジでやばい状況?」と聞き返している、ということだと思います。
警官が言うには、(お父さんの借りた部屋にあった)行方不明者の写真とわけのわからんものから考えると、ディーンは容疑者なんだそうです。satanicは「悪魔の」、mumbo jumboは「わけのわからない言葉」。
容疑者と言われ、ディーンの皮肉が炸裂します。makes senseは「意味が分かる、筋が通る」ですが、「最初の犯行があったとき自分は3歳なのだから、俺が容疑者だというのは本当に筋が通っていますね」という皮肉。
ただし警官は全く動じない。年配のパートナーがいて、そいつが事件を始めたと言います。そしておもむろに「ディーン」と本名でディーンに呼びかけます。お父さんの残した手帳にその名前を見つけたようです。I leafed through this.のleaf throughは「~をぱらぱらと見る」。What little I could make out「私が分かったわずかなこと」で、He soon gambled away what (little) money he had left. 「彼が残していたわずかなお金もギャンブルで失ってしまった」のwhat littleと同じような使い方でしょう。その「分かったわずかなこと」もnine kinds of crazy.であったと警官は言います。nine kinds of ~はveryのキャッチ―な言い方だそうです。nine kinds of crazyで「本当にいかれている」ということでしょう。
さて、セリフの中には映画やドラマが由来だと思われる表現がちょくちょく出てきます。それがあちらではある程度の常識なのでしょう。こちらからするとmumbo jumboですが。そういった常識も少し教えてくれる「スパナチュ」で勉強を続けてみます。
参照文献
井上永幸・赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.
参照サイト