スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 2-13  It’s the only thing I can think about. それしか考えられないんだ。

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。狩りなんて放っておいてお父さんを探しに行きたいサム。それに対してディーンが諭しているところです。

 

Sam: Dean, no. I gotta find Dad. I gotta find Jessica’s killer. It’s the only thing I can think about.(ディーン、嫌だ。僕は親父を探さないと。ジェシカを殺したやつを探さないと。それしか考えられないんだ。)

Dean: Okay, all right. Sam, we’ll find them, I promise. Listen to me. You’ve gotta prepare yourself. I mean, this search could take a while. And all that anger… you can’t keep it burning over the long haul. It’s gonna kill you. You gotta have patience, man.(オーケー、分かったよ。サム、探すよ、約束する。聞けよ。覚悟しないといけないぞ。つまり、この捜索は時間がかかるかもしれない。そしてその怒り…それを長いこと燃やし続けることなんてできないぞ。それはお前を殺すことになる。忍耐を持たないとな。)

Sam: How do you do it? How does Dad do it?(ディーンはどうやってるんだ?親父はどうやってるんだ?)

Dean: Well, for one, them. I figure our family’s so screwed to hell, maybe we can help some others. Makes things a little bit more bearable. I’ll tell you what else helps. Killing as many evil sons of bitches as I possibly can.(そうだな、1つには彼女たちだ。俺たちの家族がめちゃめちゃなのは分かってるさ、けどもしかしたら、ほかの家族は救えるかもしれない。おかげで状況が少し耐えられるものになるんだ。他にも助けになることを教えてやる。好きなだけ邪悪なくそ野郎どもを殺せるぞ。)

Wendigo: Help me! Please! Help!(助けてくれ!頼む!助けて!)

Dean: It’s trying to draw us out. Just stay cool. Stay put.(俺たちをおびき出そうとしている。冷静に。このままで。)

Roy: Inside the magic circle?(魔法陣の中でか?)

Wendigo: Help! Help me, ple…(助けて!助けてくれ、頼…)

Roy: Okay, that’s no grizzly. It’s okay.(オーケー、グリズリーじゃないな。オーケー。)

Haley: It’s okay. You’ll be all right, I promise.(大丈夫よ。あなたは大丈夫、約束するわ。)

Sam: It’s here.(くるぞ。)

Roy: I hit it.(仕留めた。)

Dean: Roy, no! Roy! Don’t move.(ロイ、よせ!動くな。)

Roy: It’s over here. It’s in the tree…(こっちだ。木の上に…)

Dean: Roy?(ロイ?)

 

お父さんと、ジェシカを殺した犯人を見つけたいサム。もうサムにとってはIt’s the only thing I can think about.「それが考えることのできる唯一のことだ」→「それしか考えられない」わけです。そんなサムに、「親父は見つけるよ」と約束するディーン。けれども覚悟をしろと言います。prepare oneselfは「覚悟をする、備える」で、prepare oneself for the worst「最悪の事態に備える」のように使われます。ここからoneselfを省略したものがprepare for ~「~の準備をする、~に備える」だと考えてもいいと思います。

 

なぜ覚悟しないといけないかというと、この捜索の旅は時間がかかるかもしれないからとディーンは言います。all that anger… you can’t keep it burning over the long haul. 「その怒り…それを長いこと燃やし続けることなんてできない」というのです。haulは「(大量の)盗品、時間、距離」などの意味が、a [the] long haulで「長い距離、長い時間、長い骨の折れる仕事、長い旅」の意味があるようです。

 

patience「忍耐力」を持てというディーンに対して、サムはディーンやお父さんがどうやっているのか聞きます。ディーンはヘイリーたちの方を見ながら、彼女たちのおかげで自分たちはやっていけていると言います。I figure our family’s so screwed to hell, maybe we can help some others. 「俺たちの家族がめちゃめちゃなことは分かってるさ、けどもしかしたら、ほかの家族は救えるかもしれない」というわけです。screwedは「ねじで締めた、ねじ曲がった、めちゃめちゃで、いかれて」などの意味です。screw「ねじ、ねじで締める、ねじる」などの意味がある動詞の過去分詞形、あるいは形容詞と考えられます。screwの発音は「スクルー」なんですね。スクリュードライバーというカタカナになっているので、スクリューだと思っていました。to hellは強調でしょう。

 

さて、人々を救うこと、それがMakes things a little bit more bearable. 「状況を少し耐えられるものにする」というわけです。人々を救うことが、自分たちの救いにもなると。さらにディーンはI’ll tell you what else helps. 「ほかに助けになるものを教えてやる」として、Killing as many evil sons of bitches as I possibly can.「好きなだけ邪悪なくそ野郎どもを殺せること」を挙げます。サムもようやく少し笑みを見せます。

 

ここでウェンディゴと思われる怪物の声が聞こえてきます。「助けてくれ」と人間の声真似をしてサムたちをおびき出そうとしています。draw outは「引き出す、誘い出す」stay putは「同じところにとどまる、そのままでいる」という意味です。しかしロイはウェンディゴに向かって発砲します。I hit it.と言って飛び出すロイ。I hit it. は日本語ではどちらかというと「(弾が)当たった」というように、弾が主語になる気がするのですが、英語ではI hit it.「俺はそいつに(弾を)命中させた」 と表現するようですね。「そいつを仕留めた」と考えたら、日本語も英語も主語は同じですが。ロイはひとりで突出して「こっちだ。木の上にいる…」と言いかけたところで、ウェンディゴに首をねじ折られて絶命してしまいます。It’s in the tree…は「木の上にいる…」と字幕翻訳でも訳されていますが、inが使われています。木の枝の上ということを第一に言いたいならon the treeになるのでしょうが、生い茂った木の葉の中に包まれているような状況ならin the treeとも言えます。ちなみに木の幹にほこらのような穴があって、そこにいる場合もin the treeが使えますが、この場面はそういう状況ではないですね。

 

参照文献

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.

高橋作太郎 (編集代表) (2012)『リーダーズ英和辞典』(第3版), 研究社. (*電子辞書版)