スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 2-2  Bull. 嘘つけ。

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。ブラックウォーター・リッジに近いレンジャーステーションに来たサムとディーン。ブラックウォーター・リッジがどんなところか調べています。

 

Sam: So Blackwater Ridge is pretty remote. It’s cut off by these canyons here. Rough terrain, dense forest, abandoned silver and gold mines all over the place.(ブラックウォーター・リッジは遠い。これらの渓谷に寸断されている。起伏の激しいに、深い森、廃棄されたになった銀鉱、金鉱がそこここにある。)

Dean: Dude, check out the size of this frigging bear.(おい、このくそでかい熊を見てみろよ。)

Sam: And a dozen or more grizzlies in the area. It’s no nature hike, that’s for sure.(それとこの地域にはたくさんのグリズリーがいる。自然を楽しむハイキングは無理だ、それは確かだ。)

Wilkinson: You boys aren’t planning to go out near Blackwater Ridge by any chance?(もしかしてブラックウォータ・リッジ辺りに出かけようってんじゃないよな?)

Sam: Oh, no, sir. We’re environmental-study majors from UC Boulder. Just working on a paper.(いいえ。僕たちはUCボルダ―の環境学専攻でして。ただ論文に取り組もうかと。)

Dean: Recycle, man.(リサイクルですよ。)

Wilkinson: Bull. You’re friends with that Haley girl, right?(嘘つけ。あのヘイリー嬢の友達だろ?)

Dean: Yes. Yes, we are. Ranger Wilkinson.(ええ。はい、そうです、レンジャー・ウィルキンソンさん。)

Wilkinson: Well, I will tell you exactly what I told her. Her brother filled out a backcountry permit saying he wouldn’t be back from Blackwater until the 24th. So it’s not exactly a missing persons, now, is it? Tell that girl to quit worrying. I’m sure her brother’s just fine.(そうか、彼女に言ったことと同じことを言うぞ。彼女のお兄さんは入山許可証を書いていて、それによると24日までブラックウォーター・リッジから帰らないそうだ。だからこれは今のところ行方不明者じゃない、だろ?お嬢さんに心配するなと言ってやれ。お兄さんは無事だよ。)

Dean: We will. That Haley girl’s quite a pistol, huh?(分かりました。ヘイリー嬢は強烈でしょ?)

Wilkinson: That is putting it mildly.(控えめに言えばな。)

Dean: Actually, you know what help is if I could show her a copy of that backcountry permit. You know, so she could see her brother’s return date.(実は、入山許可証のコピーを彼女に見せたら、助けになるかと。その、お兄さんの帰る日が分かりますからね。)

 

Dean: Yeah.(よっしゃ。)

Sam: Are you cruising for a hookup or something?(つながりでも求めてうろつくつもりか?)

Dean: What do you mean?(どういう意味だ?)

Sam: The coordinates point to Blackwater Ridge. What are we waiting for? Let’s just go find Dad. I mean, why even talk to this girl?(座標はブラックウォーター・リッジを指してる。何を待っているんだ?ともかく親父を探しに行こう。どうしてこの娘と話すんだよ?)

Dean: I don’t know. We should know what we’re walking into before we actually walk into it.(さあね。実際に踏み入る前に、いったい何に踏み入るのかを知っておくべきだろ。)

Sam: What?(何だ?)

Dean: Since when are you all “shoot first, ask questions later” anyway?(一体いつからお前は「とりあえず弾をぶち込んでそのあとに質問するやつ」になったんだ?)

Sam: Since now.(今だよ。)

Dean: Oh, really? (へえ、そう?)

 

cut O off は「Oを切り離す、Oをさえぎる」などの意味があります。cut「~を切る」とoff「離れて」の組み合わせです。canyonは「渓谷」、terrainは「地域、地形」、abandonedは「捨てられた、廃墟となった」、mineは「鉱山」です。mineはマインスイーパーというゲームがあるように「地雷」の意味もありますね。

 

ディーンは「このくそでかい熊を見ろよ」と言います。friggingはdamnedと同じように「とても~」を意味する俗な強意表現。frig「~と性交する」から来ているのでしょうから、下品な表現ですので使わない方がいいでしょうね。

 

グリズリーもたくさんいるようだというサム。It’s no nature hike, that’s for sure.と言うのですが、nature hikeは「自然観察のハイキング」で、take a nature hike「自然の中をハイキングする」のようにも使います。ここでは「自然を楽しむハイキングをするようなところではない、それは確かだ」という感じでしょう。何かを言ったあとにthat’s for sureと付け加える言い方は役に立ちそうです

 

レンジャーのウィルキンソンさんに「ブラックウォーター・リッジに行くつもりじゃないよな?」と聞かれ、とっさに嘘をつくサムたち。by any chanceは疑問文で「ひょっとして、もしかして」で、by chanceだけだと「偶然に」

 

しかし嘘だとばれます。レンジャーから「嘘つけ」と言われてしまいます。bullは「雄牛」の他「うそ、ほら、バカなこと」のような意味があります。後者の意味ではbullshitも使われます。嘘だとはばれましたが、レンジャーは勘違いをしていて、「お前らはヘイリーの友達だろ」と言います。その勘違いにのってディーンは情報を得ようとします。

 

レンジャーが言うには、ヘイリーのお兄さんが山から帰ってないが、許可証にはまだ帰る予定でないと書いてあるので、心配する必要はないとのこと。filled out a backcountry permit saying… のところはfill out「~に記入する」。英語字幕には単にpermitとしか出ていませんが、backcountry permitと言っているようで、backcountry「山の中、山奥」なので、入山許可証のようなものでしょうか。画像検索するとそんな感じのものが出てきます。saying… は分詞で、前のpermitを修飾しています。「…と書いてある許可証」ということです。とにかく、許可証にはまだ帰るとは書いてないので、quit worrying「心配するのをやめろ」というわけです。

 

That Haley girl’s quite a pistol, huh?「ヘイリー嬢はピストルでしょ?」ですが、pistolには「拳銃」以外に「頭の切れる人、活動的な人、美人」のようにいくつか俗的な意味があるようです。ディーンがどの意味で言ったか不明ですが、どの意味にせよ「ヘイリーはすごいでしょ?強烈でしょ?」という意味は共通してありそうです。

 

レンジャーの答えはThat is putting it mildly.「控えめに言えばな」で、put it ~ 「それを~で言う」のような使い方があります。put it in other words「それを別の言葉で言う」やput it shortly「それを短く言う」、ここのput it mildly「それ控えめに言う」のような感じです。put it in other wordsを直訳すれば「それを別の言葉の中に置く」で、そこから「それを別の言葉で言う」になるのは何となく納得できます。

 

you know what help is if… のところは「もし…すれば、どんなに助けになることか」という感じだと思うのですが、正直構造がはっきりと分かりません。whatは関係代名詞なのか関係形容詞なのか(関係形容詞だと思っていますが)、どちらの場合にせよwhat help isの部分の主述関係はどうなっているのか。どなたかいいお考えがあれば。私もこの疑問を頭にとどめて調べてみます。

 

レンジャーを丸め込んで許可証のコピーを得たディーン。ヘイリーたちの住所がこれで分かりますので、向かうつもりのようです。サムは不満そうで、Are you cruising for a hookup or something? と言います。cruiseは「船旅する、遊覧する」が元の意味ですが、そこから「(車・ネットなどで)ぶらぶらする」hookupは器具などの「接続」ですが、口語では人と人との「つながり」も意味します「つながり」の度合いによって「友人関係」から「性交」まで表すようなので要注意。結局全体で「つながりかなんかでも求めてうろうろするつもりか?」のような感じでしょうか。字幕翻訳では「ナンパか」となっていて、簡潔にして要を得ている訳でさすがの一言。

 

サムにしてみたら、ほかの登山者がどうとかどうでもいいのでさっさとブラックウォーター・リッジに行こうぜということ。ディーンはWe should know what we’re walking into before we actually walk into it.「実際に踏み入る前に、いったい何に踏み入るのかを知っておくべきだ」と言い、サムを怪訝な顔で見ます。サムはそれに対し「何だ?」と聞きます。ディーンはSince when are you all “shoot first, ask questions later”?「一体いつからお前は「とりあえず弾をぶち込んでそのあとに質問するやつ」になったんだ?」と。そんなにせっかちな奴だったかと聞いているわけですね。サムは「今だよ」と答えます。

 

どうやら結局ヘイリーのところへ向かうようです。どうなるのでしょうか。「スパナチュ」で勉強を続けていきましょう。

 

参照文献

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.