スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 2-6 “Corporeal”? Excuse me, professor. 「有形な」?もしもし、教授殿。

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。前回、事件の唯一の生き残りであるショウから話を聞いたサムたち。その話から謎の怪物の正体を推測しています。

 

Dean: Spirits and demons don’t have to unlock doors. If they want inside, they just go through the walls.(霊や悪魔はドアのかぎを開ける必要はない。中に入りたかったら、奴らは壁をすり抜けるからな。)

Sam: So it’s probably something else, something corporeal.(ならたぶん別の何か、有形な何かだ。)

Dean: “Corporeal”? Excuse me, professor.(「有形な」?もしもし、教授殿。)

Sam: Shut up. So, what do you think?(うるさい。で、どう思う?)

Dean: The claws, the speed that it moves… Could be a Skinwaker, maybe a Black Dog. Whatever we’re talking about, we’re talking about a creature and it’s corporeal. Which means we can kill it.(爪、動くスピード…スキンウォーカーかもしれないし、ブラックドッグかもしれない。何について話しているにせよ、そいつは生き物で、有形だな。そしてつまりそいつは殺すことができるわけだ。)

Sam: We cannot let that Haley girl go out there.(あのヘイリー嬢をあそこに行かせることはできないな。)

Dean: What are we gonna tell her? She can’t go because of a big, scary monster?(彼女になんて言うんだ?行ってはダメだ、大きくて恐ろしい怪物がいるからって?)

Sam: Yeah.(ああ。)

Dean: Her brother’s missing, Sam. She’s not just gonna sit this out. We go with her, and we keep our eyes peeled for our fuzzy predator friends.(弟が行方不明なんだぞ、サム。ただ待つなんてしないさ。彼女と一緒に言って、俺たちのよく分からん捕食者の友達に気を付けるんだよ。)

Sam: So finding Dad’s not enough? Now we gotta babysit too? What?(親父を探すのだけじゃ不十分か?子守もしないといけないのか?なんだよ?)

Dean: Nothing.(なんでもない。)

 

ショウによると、犯人はドアのカギを開けて入って来たとのことでした。しかし、霊や悪魔なら壁をすり抜けられます。なので犯人はcorporeal「有形の、身体の」であるとサムは言います。それに対しディーンは“Corporeal”? Excuse me, professor. 「「有形な」?もしもし、教授殿。」とふざけます。corporealが難しい単語なので、「頭いいな、お前(笑)」という感じでしょう。ところで、ディーンの最初のセリフIf they want inside, they just go through the walls.の下線部ですが、英語字幕には表示されていませんが、私の耳にはそのように聞こえました。合っているかどうかは分かりません。合っているとして、want insideというのは珍しい表現な気がします。一応ネットで検索すれば出てきますし、COCA(英語コーパスの1種)でもヒットしますが、こんな表現もあるんだなという感じです。

 

ところで犯人はclaw「爪」を持ち、高速で動きます。そこから考えるとSkinwakerやBlack Dogではないだろうかとディーンは言います。そしてWhatever we’re talking about, we’re talking about a creature and it’s corporeal.と言うわけです。「今俺たちが何について話しているにせよ、生き物について話しているし、そいつは有形なんだ」が直訳的になります。わざわざcorporealを使うのがディーンの嫌味なのでしょうが、私が気になったのは、意外とまだるっこしい表現をするんだな、という点です。2話の最初の方(2-2)でもディーンはWe should know what we’re walking into before we actually walk into it.「俺たちはそこに足を踏み入れる前に何に足を踏み入れようとしているのか知る方がいい」という表現をしていて、結構まだるっこしい、よく言えば所れた言い回しをしているなと思ったのですが、今回も似たような感じの表現が出てきて気になりました。こういう言い方、できないなあと思います。まあ、学習者としては使わなくてもいいのですが、私にとってはなんか使いたくなる、そんな表現です。

 

次にWhich means we can kill it.とあり、字幕では前の文から完全に切れていますが、it’s corporeal, which means we can kill it.ということです。関係代名詞whichが前の文全体を先行詞としてとるパターンですかね。「そいつは有形で、そしてそれが意味するのは、そいつは殺すことができるということだ」となります。

 

さて、そんな怪物がいるところにヘイリーを行かせることはできないというサム。しかし説明のしようがないというディーン。弟が行方不明なので、She’s not just gonna sit this out.であると言います。sit A outは「(劇など)を最後まで見る、(嫌なことなど)を終わるまで待つ、(競技など)に加わらない」などの意味があるようです。一応ここではthisは「この一連のこと」くらいの意味で、「この一連のことが終わるまでただ待つことはしないだろう」という意味だととりました。

 

ヘイリーをとめることはできないので、一緒に行って、keep our eyes peeled for our fuzzy predator friends.「俺たちのよく分からん捕食者の友達に気を付けるんだよ」とディーンは言います。peelは「~を剥く、~をはぐ、はがれる」の意味で、peeler「ピーラー、皮むき器」でカタカナでも使いますkeep one’s eyes peeled for ~ は「~に対して目を剥いたままにする → ~に気を付ける」ということです。fuzzyは「(輪郭などが)ぼやけた、不明瞭な」predatorは「捕食者」です。

 

しかしサムは不満なようです。子守もしないといけないのかよ、と悪態をつきます。ここはサムが結構薄情に見えるのですが、ディーンもそう思っているのでしょう、黙ったままサムをじっと見ます。サムは「なんだよ」と言いますが、「なんでもない」と言って、ディーンはそれ以上は言いません。サム、どういう性格なのでしょうか?

 

さあ、いよいよ次回からはブラックウォーター・リッジへと向かっていきます。話も気になりますが、英語の勉強にもなりますねえ。「スパナチュ」で英語の勉強を続けてみます。

 

参照文献

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.