スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 1-23  All right. Jerk. そうかい。やなやつ。

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。前回、お父さんが借りていたモーテルの部屋に入ったサムとディーン。そこには事件の資料がたくさん。お父さんは何を発見していたのでしょうか?

 

Sam: He found the same article we did. Constance Welch. She’s our woman in White.(親父は僕たちが見つけたのと同じ記事を見つけたんだ。コンスタンス・ウェルチ。彼女が僕らの探してる白いドレスの女だ。)

Dean: You sly dogs. So Dad would have found the corpse and destroyed it.(おまえ賢いな。なら、親父は死体を暴いて、それを破壊しただろうけど。)

Sam: She might have another weakness.(彼女には別の弱点があるのかもしれない。)

Dean: Dad would wanna make sure. He’s dig her up. Say where she’s buried?親父なら確かめるだろう。彼女を掘り起こす。彼女はどこに埋められたって?)

Sam: No. Not that I can tell. If I were Dad, though, I’d go ask her husband. If he’s still alive.(書いてないな。分かる範囲では。自分が親父なら、夫に聞くだろうな。もし彼が生きていれば、だけど。)

Dean: Why don’t you see if you can find an address. I’m gonna clean up.(住所が分かるか調べてくれ。俺はきれいになるから。)

Sam: Hey, Dean? What I said earlier, about Mom and Dad, I’m sorry…(なあ、ディーン?さっき僕が言ったこと、おふくろや親父についてだけど、ごめん…)

Dean: No chick-flick moments.(女性向け映画みたいなのはごめんだぜ。)

Sam: All right. Jerk.(そうかい。やなやつ。)

Dean: Bitch.(タコが。)

 

お父さんが自分たちと同じ記事を見つけていたことに気が付いたサム。そのサムに対して、ディーンはYou sly dogs.と言います。slyは「ずるい、あくどい、こすい」などの意味で、「賢い」の悪いバージョンでしょうか。ここではディーンのサムに対するセリフなので、ふざけて言っている感じを出したいのでしょう。「悪賢い犬め」が直訳なのでしょうが、「鼻が利くじゃねえか」くらいの意味ではないでしょうか

 

Dad would have found the corpse and destroyed it.「親父は死体を暴いて、それを破壊しただろうけど」の「would have 過去分詞」はどのような用法なのかはっきりとはわかりません。とりあえず「だろう」と訳しておいて話がつながるので深く考えなくてもいいかもしれません。が、とりあえず仮定法過去完了の用法として考えてみます。

 

仮定法過去完了だとすると、「(もしコンスタンスを記事で突き止めたなら、)死体を暴いて破壊しただろう」となります。死体を破壊したなら霊は消えるはずですが、コンスタンスは依然として暴れています。ということで死体は破壊されていません。事実と異なるので仮定法でよさそうな気もします。けれどもこの場合、「もし~」の部分は事実です。If I were you, ~. のように、ふつうは「もし~」の部分からして事実でない、仮定の話になると思うのですが、この場面ではそうなっていません。なにか引っかかります。皆さんはどう思われますか?

 

追記2019/04/24

ここの「would have 過去分詞」は、仮定法ではなく単なる過去の推測と考える方がいいような気がしてきましたので、その場合を考えてみます。単なる推測だとすると「(コンスタンスを記事で突き止めたのだから、)死体を暴いて破壊しただろう」という意味になります。そうするとso「なので」がここにある意味が明確になります。あくまで「記事を突き止めた」という根拠をもとにした推測ですので、実際に死体を掘り起こして破壊したかどうかは分かりません。

追記ここまで

 

彼女には別の弱点があるのかもしれないというサムに対し、ディーンはDad would wanna make sure.と言います。make sureは「確かめる」。He’s dig her up.の’sは後ろが原形ですのでdoesの短縮形だと思います。辞書ではdoesの短縮形は疑問詞の後で使われることが多く、その場合も誤った使い方とみなされることが多いと書いてありますので注意が必要そうです。dig O upは「Oを掘り起こす、Oを探し出す」で、この場面ではどちらでも通じそうですが、そのあとのセリフで死体の埋葬場所を聞いていますので、「掘り起こす」の方で意味をとっておきました。彼女にほかの弱点があろうとなかろうと、まずは死体を焼いて(それで倒せるかどうか)確かめる、ということでしょう。

 

死体の埋葬場所ですが、サムは「自分が親父なら…」と仮定して話をします。If I were Dad, though, I’d go ask her husband.「自分が親父なら、夫に聞くだろうな」仮定法過去形が使われています。

 

Why don’t you ~? は「~したらどうですか」という提案の使い方が主でしょうが、実質的に「~しなさい」という命令文のようにも使うようです。ここの場面では命令の方です。see if ~は「~かどうか見る、調べる」でよく使われている気がします。

 

シャワーに行くディーンに対し、サムは橋で両親のことを他人事のように言ってしまったことを謝りますが、それに対するディーンの返答はNo chick-flick moments.でした。chickは前回出てきたように、「ひな鳥、若い娘、かわいこちゃん、ガキ」などの意味ですが、chick flickは「女性向け恋愛映画」のことで、chick-flickとハイフンがつくと形容詞「女性向け恋愛映画の」という意味になります。「女性向け恋愛映画の瞬間(ワンシーン)はごめんだぜ」という感じでしょうか。日本語字幕では「お涙は勘弁」となっていて、短い言葉でよくわかる表現になっています。

 

jerkには「~を急激に動かす」のような意味があるようですが、海外ドラマとかでは圧倒的に「むかつくやつ、ろくでなし、変人」のような意味で使われると思います。サムとしてはせっかく謝ったのに「なんだよ、まったく」という気持ちでディーンにJerk.と言ったのでしょう。ディーンも負けずに(?) Bitch. と返します。照れ隠しでもあるのでしょうね。

 

相変わらずwouldのような単語が難しいです。何かいい指南書がないか探しています。みなさんもより良い解釈があったら教えてください。仮定法を極めることができる方法も教えてください。ともかく「スパナチュ」で英語の勉強を続けてみます。