スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 2-4  Here’s the clincher. 決定的証拠だ。

こんにちは。海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語の勉強をしています。ブラックウォーター・リッジで何かが起こっているようです。サムは調べてみたことをディーンに話します。

 

Sam: So Blackwater Ridge doesn’t get a lot of traffic. Local campers mostly. But still, this past April, two hikers went missing out there. They were never found.(それで、ブラックウォーター・リッジにはあまり往来がない。ほとんどが地元のキャンパーだ。けど、今年の4月、ハイカーが2人、行方不明になった。見つかっていない。)

Dean: And before that?(で、その前は?)

Sam: Yeah. In 1982, eight people all vanished in the same year. Authorities said it was a grizzly attack. And again in 1959. And again before that in 1936. Every 23 years, just like clockwork. Okay, watch this. Here’s the clincher. I downloaded that guy Tommy’s video to the laptop. Check this out.(ああ。1982年、8人が同じ年に消えた。当局によるとグリズリーの襲撃だと。で、1959年にまた。そしてまたその前、1936年。23年おきに、規則正しく。よし、これを見てくれ。決定的証拠だ。トミーのビデオをノートパソコンにダウンロードした。これを見てくれ。)

Dean: Do it again.(もう一度頼む。)

Sam: That’s three frames. It’s a fraction of a second. Whatever that thing is, it can move.(3コマ。ほんの一瞬だ。これが何にせよ、動くものだ。)

Dean: Told you something weird was going on.(言っただろ、何か変なことが起こってるって。)

Sam: Yeah. I got one more thing. In ’59, one camper survived the supposed grizzly attack. Just a kid. Barely crawled out of the woods alive.(ああ。もう1つ分かったことがある。59年、キャンパーが1人、グリズリーと思われている襲撃を生き延びている。ほんの子供だった。なんとか森から生きて這い出たようだ。)

Dean: Is there a name?(名前はあるか?)

 

最初のサムのセリフ、Blackwater Ridge doesn’t get a lot of traffic.ですが、trafficは「往来、交通、交通量、通行するもの」ということですが、あとで映像に出てくるようにブラックウォーター・リッジは(おそらくほとんど)森なので、車の通行量云々の話ではなく、「人の往来があまりない」ということでしょう。Local campers mostly.「ほとんどは地元のキャンパーだ」ということですね。stillは「まだ、今でも」の意味だけでなく「それでも、それにもかかわらず」の意味もよく出てきて、butとセットで結構出てくる気がします。「ほとんど人が行かないにもかかわらず行方不明者が4月に2人もいる」というような流れだと思います。go missingで「行方不明になる」ですね。

 

ディーンはもっと過去にも何かなかったか聞きます。サムによれば1982年に8人が消えたそうです。vanish「消える」は1話にも出てきた気がしますが、disappearと何が違うのか気になったので、たまには英英辞典を引いてみます。COB5によると、vanishはIf someone or something vanishes, they disappear suddenly or in a way that cannot be explained. と定義されています。disappearと同じような意味ですが、vanishの場合はsuddenly「突然」、in a way that cannot be explained「説明できないような方法で」というところがdisappearとは区別される意味なのでしょう。「スパナチュ」で人が行方不明になる場合はvanishが文脈に合う場面が多そうですね。

 

authorityは「権威、権限」ですが、それを行使する各種の「当局、関係機関」も指します。「当局はグリズリーの襲撃であると発表した」わけで、おそらく当局というのは警察当局でしょう。サムによれば’82、’59、’36に行方不明者が出たようで、これはきっちり23年おきであると指摘します。Every 23 years, just like clockwork. ということで、clockworkは「ぜんまい仕掛け(の)」、like clockworkで「規則正しく、予定通りに」という意味のようです。

 

サムは続けてHere’s the clincher.と言います。clincherは「決定的な事実、決め手」という意味のようです。他にも「釘の先を打ち曲げる道具、ボルトの締め具」の意味もあるようです。clincherで画像検索してみると自転車の「クリンチャータイヤ」というものの画像ばかり出てくるのですが、たまに「ああ、これは釘を曲げそうな道具だな」というのが出てきます。

 

さて、何が「決め手」かというと、ヘイリーから転送してもらったトミーの画像です。そこに怪しげな影が映っていたのです。サムはThat’s three frames.と言います。frameは「枠、骨組み、枠組み」が中心的な意味でしょう。そこから「(テレビなどの)画面、(漫画などの)コマ、(画像の)1コマ」にも使われるようになったと思われます。テレビは1秒間30コマ、つまり1秒間に30枚の画像を連続でぱらぱらマンガのように見せることで映像が動いて見えるらしいです。3コマというのは0.1秒になるんでしょうか。0.1秒の間に高速で動く怪しい影をサムは見つけたのです。みなさん、トミーの画像をもう一度見てみてください。皆さんには見えますか?fractionは「部分、断片、わずか」という意味なので、a fraction of secondは「ほんの一瞬」ということ。本当に一瞬ですね。

 

サムの説明を聞いてディーンはTold you something weird was going on.「言っただろ、何か変なことが起こってるって」と言い、自分の今までの行動は正しかったと主張。このセリフの最初の部分、(I) told you…のような表現をうまく使いこなしたいなあと、個人的には思います。言い方や文脈によって「言ったじゃん、~ってさ~」とか「私言いましたよね、~だと」のようにいろいろニュアンスは変わるでしょうが、使いこなせたら素敵な気がします

 

さて、サムにはもう1つ何かわかったことがあるようです。それは’59年の事件のときにはひとり生存者がいたことです。surviveは自動詞で「生き残る」の場合もありますが、他動詞になると「~を生き残る」となり、目的語には「災害・事件・病気」などがきます。あと「~より長生きする」もの意味もあります。supposedは「~と思われている、~とされている、仮定の」の意味で形容詞として使われています。後どうでもいい気もしますが、the supposed grizzly attackのsupposedはgrizzlyだけにかかっているのか、それともgrizzly attack全体にかかっているのか少し気になります。じつは私は全体にかかっていると思ったのですが、訳がしにくかったのでgrizzlyだけにかかるような訳をして、あれ、やっぱりgrizzlyだけにかかるのが正解かな、といろいろ考えてしまったという経緯があったので気になったのです。たぶんサムはgriizlyではなくて高速で動く何かの襲撃と思っているはずなので、attackのところまではsupposedはかからないのでは...というのが今のところの考えです。ま、どうでもいい気もします。

 

生き残った人はJust a kid.「ほんの子供だった」ようで、Barely crawled out of the woods alive.「なんとか森から生きて這い出た」ようです。barelyは肯定的な意味合いでは「かろうじて」、否定的な意味合いでは「ほとんど~ない」ですが、ここでは前者の意味でしょう。crawlは「這う、のろのろ進む、クロールで泳ぐ」のような意味があります。

 

最後のaliveは描写述語と呼ばれるものだと思います。このような形容詞的な単語が動詞句の後ろに来ると「動作が開始あるいは進行するときに、主語/目的語がどのような状態にあるのかを表現する(影山 2009: 266)」機能になることがあります。細かいことは私もわかりませんが(^_^;)類例を挙げておきます(例はすべて影山 2009から引用)。

He left the room angry.「彼は怒って部屋を出て行った」

Bill drove his car drunk.「ビルは酔っぱらって車を運転した」

He had to sleep naked.「彼は裸で寝なければならなかった」

Ken ate the shrimps alive.「ケンは小エビを生きたままで食べた」

 

さて、その生き残った唯一の人とは?次回はその人に会いに行きます。海外ドラマ「スパナチュ」で英語の勉強を続けます。皆さんもどうぞご一緒に(^.^)

 

参照文献

[COB5] Collins COUBUILD Advanced Learner’s English Dictionary, HarperCollins.

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典』(第4版), 三省堂.

影山太郎 (編) (2009)『日英対照 形容詞・副詞の意味と構文』大修館書店.