スパナチュde英語:海外ドラマ「スーパーナチュラル」で英語学習

海外ドラマ「スーパーナチュラル」を使って単語・フレーズ・文法などを勉強していきます。「スパナチュ」のすべてのセリフの意味を確認していき、自分が難しいと思ったところを中心に解説します。「スパナチュ」を楽しみながら英語の勉強をしたいと思っている人の役に少しでも立てばと思います。

シーズン1 1-3 You coming or what?

こんにちは。トムです。スーパーナチュラルを使って英語の勉強を続けましょう。前回の場面から一気に22年後、現在へと舞台は移ります。

 

[現在、スタンフォード大学]

Jessica: Sam. Get a move on, would you? We’re supposed to be there, like, 15 minutes ago. Sam. You coming or what? (サム。急いでね?15分くらい前には着いてるはずなのよ。サム。来るのよね?)

Sam: Do I have to?(いかなきゃダメ?)

Jessica: Yes. It’ll be fun. And where is your costume?(ええ。楽しいわよ。で、衣装はどこ?)

Sam: You know how I feel about Halloween.(僕がハロウィーンのことどう思っているか知っているだろ。)

 

まずget a move onは「急ぐ」という意味です。もちろんこの文は命令文で、命令文を付加疑問にするときはwill you?をつけます

 

「肯定命令文の付加疑問はwill you?またはwon’t you?となる」(『ウィズダム英和辞典』)

「命令の口調を和らげるために、命令文の初めか終わりにpleaseをつけたり、または終わりにwill you?をつけ加えると、「~してください」「~してくれませんか」と依頼の意味になる。」(『ブレイクスルー総合英語』)

 

ここではwill you?でなくwould you?が使われていますが、同じような意味で使われているようです。

 

「Pass me those scissors, would you?そのはさみ取ってくれますか(!命令文の後のwould you?はくだけた言い方;親しくない相手に対しては失礼になることがある)」(『ウィズダム英和辞典』、下線筆者)

 

命令文+would you?の使用には注意が必要なようです。もちろん命令文+will you?の場合も、結局は命令文であることにはかわりありませんので、使う際は注意が必要です。

 

be supposed to doは「~することになっている、~すべきである」です。『100%使いこなすための知られざる基本英単語の使い方』という本では、発信型語彙として知っておくべき基本単語が自然なダイアログとともに紹介されていますが、supposeはその基本単語の中に入っているほど重要な単語です。What you're supposed to do now is to study English.「今あなたがすることになっているのは [ するべきことは ] 英語を勉強することです」のような使い方があります。What's that supposed to mean?「それはどういうことですか?」もよく使われるフレーズです。

 

次のYou coming or what? のような文が、私のように机上の勉強だけしてきた人間を悩ましてくれます。まあ、スパナチュも机上で見てますが(^_^;)まずはor whatの部分から調べてみましょう。

 

or what ⦅話⦆(1)〚疑問文の文末で〛それともほかに何かあるというのか;そうじゃないのか(!いらだちを表したり、同意を強いる強調表現)► Was that a great goal or what? あれがすばらしいゴールじゃないとでも言うのか. (『ウィズダム英和辞典』、下線筆者)

 

「疑問文の文末で」とありますから、You comingの部分だけですでに疑問文のようです。これはAre you coming? からbe動詞が省略されているものです。『口語英文法入門(再改定版)』によると、疑問文の口語度(くだけの度合い)はAre you sure? → You are sure? → You’re sure? → You sure? の順で上がっていくということです。ジェシカはサムに対して最もくだけたYou sure? と同じくだけレベルのYou coming? で質問したうえで、さらにいらだちを示すor what? をつけているわけです。彼女だからこそのセリフということでしょう。

 

最後のセリフYou know how I feel about Halloween.は直訳すると「君は僕がハロウィーンについてどう感じているか知っている」となるかと思いますが、日本語字幕では「ハロウィンは苦手だ」となっています。もちろんこれは直訳の裏の意味を明確にした意訳です。サムはハロウィンに乗り気ではなく、グダグダと準備をしているところに、ジェシカがウキウキで「It’ll be fun. (楽しいわよ)」と言ってきます。そこでサムは「やれやれ」といった感じで「君は僕がハロウィンについてどう感じているか知っているよね」と言うわけですから、これは「僕がハロウィンに乗り気でないって知ってるだろ→ハロウィン苦手なんだよ」みたいな意味になるわけです。

 

スパナチュは簡単な単語が多いにもかかわらず、なかなか難しいですね。けれども本物の英語はそういうものなのかもしれません。

 

参照文献

日向清人・狩野みき (2011)『100%使いこなすための知られざる基本英単語のルール』DHC.

井上永幸赤野一郎 (編) (2018)『ウィズダム英和辞典 (第4版)』三省堂.

小林敏彦 (2017)『図解50の法則 口語英文法入門 (再改定版)』フォーイン スクリーンプレイ事業部.

吉波和彦・北村博一・上野隆男・本郷泰弘 (2011)『ブレイクスルー総合英語 (改訂二版)』美誠社.