【英語学習本】『知られざる基本英単語の使い方』
こんにちは。
今回は私が活用してきた英語本の中から、日向清人・狩野みき(著)『100%使いこなすための知られざる基本英単語の使い方』(以下『知られざる英単語』と略す)を紹介します。
いつごろ使ったのか
知られざる英単語は、およそ6年ほど前に使い始めました。
すでにDUOを暗記していた段階です。
知られざる英単語の中に知らない単語はほとんどない状況でした。
知られざる英単語の特徴
「知らない単語はないのに知られざる?」と思うかもしれませんが、もちろん「知られざる」は「使い方」の方にかかっています。
そう、この単語集は厳選された基本単語の実際の使い方、活用の仕方を教えてくれるすばらしい本なのです。
1つのセクションの構成は次のようになっています。
①基本英単語と簡潔な特徴
②基本英単語が何度も登場する自然な英会話
③英会話中の基本単語の徹底解説
1つのセクションで1つの基本単語が様々な使われ方をします。
例えば、最初の基本単語はtellです。
普通の英単語帳ではいくつかの日本語訳と、tell O to doで使うというようなわずかな文法情報、多くても2個の例文かフレーズが載っているくらいでしょう。
しかし、それだけの情報でtellを本当に使いこなせるでしょうか?
この本では、③の部分でtell + O + that節、tell + wh節、tell O offの句動詞、tell O to do、be told to doの5つの型が紹介され、それぞれに解説・例文がついています。
そして②では、③に載っている全ての用法が、自然な会話の中で使われているのです。
この自然な会話の中で基本単語を徹底的に繰り返し学べるのが本書の特徴です。
文脈から切り離された例文ではなく、自然な文脈で複数の使用頻度の高い用法を覚えられることは、正しい用法を記憶へ定着させるという点で限りなくありがたいことです。
ちなみに解説のために選定された単語以外の、会話例を構成する単語も(ほぼ)すべて超重要基本単語でできており、学ぶ価値の非常に高いものになっています。
著者たちはGSL (General Service List)という、高頻度でかつ英語学習者が学ぶべき単語として専門家が選定したリストをもとに基本単語を選定したようで、「話し言葉の9割、書き言葉の8割を占める基礎単語を効率的に習得できます」と書いていますが、決して誇大広告ではありません。
このブログでも日々解説している海外ドラマ「スーパーナチュラル」も、そのほとんどはこの本で取り上げられている基本単語でできているのです。
会話例はたっぷり154個もあり、CD2枚で合計100分ほどです。
実に太っ腹です。
私の使い方
すでにDUOを暗記していましたので、会話例の単語も含めて知らない単語は(ほぼ)ありませんでした。
またDUOが分かるレベルでしたら、分からない文法もないと思います。
選定された基本単語の解説は手厚い一方で、会話例は日本語訳があるだけで解説はありませんが、高校基礎レベルの文法が分かればほぼ問題ないと思います。
さて、最初からこの本で出てくる単語の意味は知っていましたので、単語の意味を覚えるのは目的にはなりません。
本書の題名にあるように、そしておそらく著者の方が願うように、単語の使い方を覚えることに注意しました。
だいたい以下のような手順で勉強をしました。
①CDの会話例を聞いて意味を理解するよう努める。理解度に応じて1~3回聞く。
②会話例の英語と日本語訳を見て、意味を理解しながら1文ずつ音読する。
③単語の解説を読み、使い方を理解する。
④再び会話例に戻り、日本語訳を見るだけで英語が出せるようにする。
⑤CDを聞いて、完全に理解できることを確認する。
⑤会話例を1人2役で、感情を込めながら、何も見ずに暗唱できるようにする。
この本の会話例は、その長さに少しムラがあるのですが、1つの会話例に対して①から⑥の手順をすべて行っても、平均で15分くらいでおわることができます。
もちろん、DUO(あるいはそれに類する単語集)の全例文を理解して暗記できていることは前提になりますが。
手順⑤までだと、DUO(などの例文)を暗記するのとあまり変わりません。
しかしせっかく自然な会話が掲載されているのですから、手順⑥まで行なうのもありだと思います。
暗唱なんて無理無理という気もしますが、自然な英会話ですので、それぞれの会話に自然な流れがあります。
すると、手順⑤まで終わっていれば、意外にも数回練習するだけで暗唱できるものです。
登場人物になりきって、感情を込めながら行なうことが大事です。
私の場合は、1日に5セクションほど進めていましたが、1時間強で暗記できました。
DUOをはじめてやったときは10例文で1時間ほどかかりました。
この本の5セクションは50文くらいはありそうですが、1時間と少しで暗記できたのです。
この進歩が楽しく、ガンガン覚えていくことができました。
一か月もかからずに全てを暗記することができました。
この本の恩恵
なんといっても基本単語を少しは使えるようになったことです。
「少しは」というとがっかりするかもしれませんが、「基本単語をだいぶ使える」と言えるのはほぼネイティブ並みの人だけだと思うので、私はとてもそんなこと言えません。
しかし「少しは使える」だけで、かなりの発信能力がつきます。
少なくとも英検準1級の2次試験を受かる力、TOEIC Speakingで200点満点中130点くらいは取れるレベルにはなります。
もちろんそれぞれのテスト対策は必要ですが。
また、それぞれの単語と、その使用状況やそれを使用しているときの感情が結びついた形で覚えることができたので、適切なタイミングで英語が口から出やすくなりました。
もちろん、発信する力は、実際にだれかと会話していかないと大きくは伸びません。
しかし、その土台としてこの本をすべて理解できれば、発信型の力を大きく伸ばすことができるでしょう。
追記2019/04/23
この記事にアクセスがたくさんありました。著者のお一人である日向清人先生がご自身のTwitterでこの記事を取り上げてくださっていたようです。日向先生、深く感謝申し上げます。